離職票はいつ届く?手続き・書き方から離職理由の異議申し立てまで
最終更新日:2026/08/17
目次を開く目次
この記事でわかること
・ 離職票が退職後10日~2週間で手元に届くまでの流れ
・ 失業保険の給付内容を大きく左右する「離職理由」の重要性
・ 会社の記載内容に納得できない場合に行う異議申し立ての手順
・ 離職票が届かない・紛失したといったトラブルへの対処法
離職票(雇用保険被保険者離職票)は、退職後に失業保険(基本手当)を受け取るために不可欠な書類です。
しかし、「いつ届くのか」「どのように手続きするのか」といった疑問や、記載された離職理由に納得できないケースも少なくありません。
この記事では、離職票が手元に届くまでの流れや期間、正しい書き方、さらには会社と離職理由で見解が異なる場合の異議申し立て手順まで、網羅的に解説します。
離職票とは?失業保険の受給に不可欠な重要書類
離職票とは、正式名称を「雇用保険被保険者離職票」といい、退職者が雇用保険の失業給付(基本手当)を受給する手続きに必ず必要となる公的な書類です。
この書類には、被保険者番号や事業所名といった基本情報に加え、離職日以前の賃金支払状況や離職理由などが記載されています。
ハローワークは離職票の内容に基づいて失業保険の受給資格や給付額を決定するため、退職者にとって非常に重要な書類です。
失業保険(基本手当)の申請手続きでハローワークに提出する
離職票の最も主な用途は、住所地を管轄するハローワークで失業保険(基本手当)の受給資格決定を受けるための申請手続きにあります。
受給資格の決定と求職の申し込みを行った後、雇用保険説明会への参加を経て、失業認定日にハローワークへ失業認定申告書とあわせて離職票を提出し、失業の認定を受ける流れとなります。
この手続きを経なければ、失業保険を受け取ることはできません。
「離職票-1」と「離職票-2」の2種類で構成される
離職票は「雇用保険被保険者離職票-1」と「雇用保険被保険者離職票-2」の2種類で構成されています。
「離職票-1」は、失業保険の振込先金融機関を指定するための書類で、OCRで読み取れるようになっています。
「離職票-2」には、離職前の賃金支払状況や具体的な離職理由が記載されており、失業保険の給付額や給付日数を決定する上で重要な情報が含まれます。
この1と2の違いを理解し、両方を揃えてハローワークに提出する必要があります。
退職証明書や離職証明書との明確な違い
離職票と混同されやすい書類に「退職証明書」と「離職証明書」があります。
「退職証明書」は、退職した事実を会社が証明する私的な文書で、転職先の企業から提出を求められたり、国民健康保険の加入手続きで必要になったりします。
一方、「離職証明書」は、会社がハローワークへ離職票の発行を申請するために提出する書類です。
退職者が直接目にする機会は少ないですが、離職票-2の右半分はこの証明書の内容が転記されたものとなっています。
【図解】離職票が手元に届くまでの4ステップと期間の目安
退職してから離職票が手元に届くまでの一般的な流れと期間の目安を解説します。
通常、手続きは会社とハローワークを介して行われます。事業主は退職日の翌日から10日以内に資格喪失届を提出する必要があり、ハローワークでの処理には通常2〜3週間程度かかり、その後の郵送期間も考慮すると、手元に届くまでに一定の日数を要する場合があります。
ただし、会社の繁忙期や手続きの遅れによっては、これ以上の期間を要する場合もあります。
あらかじめ全体の流れを把握しておくことが重要です。
Step1. 退職者:会社に離職票の発行を依頼する
雇用保険法では、退職者が59歳未満の場合、本人が離職票の交付を希望しない限り、会社は発行手続きを行う義務がありません。
そのため、失業保険の受給を希望する場合は、退職する際に必ず会社の人事や総務担当者へ離職票の発行を依頼する意思を明確に伝えておく必要があります。
退職届の提出時や最終出社日に口頭または書面で伝えるとスムーズです。
Step2. 会社:ハローワークへ「離職証明書」を提出する
退職者から発行依頼を受けた会社は、退職日の翌日から10日以内に、管轄のハローワークへ「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」を提出する義務があります。
この離職証明書には、被保険者期間や退職前6ヶ月間の賃金、そして具体的な離職理由などを記載します。
この手続きが遅れると、退職者の手元に離職票が届くのも遅れてしまいます。
Step3. ハローワーク:内容を確認し、会社へ「離職票」を交付する
会社から「雇用保険被保険者資格喪失届」と「離職証明書」が提出されると、ハローワークはその内容を審査します。ハローワークは、記載内容に不備がないか、離職理由が適切かなどを確認し、受給資格の決定を行います。この際、会社はハローワークから交付された「離職票-1」と「離職票-2」を離職者へ交付します。この段階で、公的な書類としての離職票が作成されることになります。
Step4. 会社:退職者本人へ「離職票」を郵送する
ハローワークから離職票の交付を受けた会社は、速やかに退職者本人へその書類一式を郵送します。
一般的には、退職時に伝えた住所宛に簡易書留などで送られてくることが多いです。
この郵送をもって、退職者は離職票の受け取りが完了し、失業保険の申請手続きに進むことができます。
会社によっては、直接手渡しで交付する場合もあります。
離職票が退職後2週間以上経っても届かない場合の対処法
退職後、失業保険の申請準備を進めたいにもかかわらず、目安となる2週間を過ぎても離職票が届かないと不安になるかもしれません。
手続き上の遅延や何らかのトラブルが発生している可能性も考えられます。
そのような場合に落ち着いて対応できるよう、具体的な対処法を段階的に解説します。
まずは会社の担当部署に進捗状況を確認する
離職票が届かない場合、まず最初に行うべきは、退職した会社の人事部や総務部など、手続きを担当していた部署への連絡です。
単に手続きが遅れているだけ、あるいは郵送中である可能性も考えられます。
高圧的な態度ではなく、「失業保険の手続きを進めたいため、離職票の発行状況について教えていただけますでしょうか」と、丁寧に進捗状況を確認しましょう。
会社が対応しない・拒否する場合はハローワークに相談する
会社に連絡しても「手続きを進めていない」「発行を拒否された」など、誠実な対応が得られない場合は、自身の住所地を管轄するハローワークに相談してください。
ハローワークは、会社に対して手続きを行うよう指導・勧告する権限を持っています。
また、ハローワークで「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会」という手続きを行い、雇用保険の加入履歴を確認した上で、職権による離職票の発行を促すことも可能です。
失業保険の給付額が変わる!離職票で最も重要な「離職理由」
離職票に記載される「離職理由」は、失業保険の給付内容を左右する最も重要な項目です。
自己都合退職か、倒産や解雇といった会社都合退職かによって、手当を受け取れるまでの期間や総額が大きく異なります。
そのため、離職票を受け取ったら、まず自分の退職理由が正しく記載されているかを必ず確認する必要があります。
「会社都合」と「自己都合」で給付日数や開始時期はどう違う?
離職理由が「自己都合」の場合、7日間の待期期間に加えて、原則2ヶ月間の給付制限期間が設けられます。
給付日数は雇用保険の被保険者期間に応じて90日〜150日です。
一方、「会社都合」による離職(特定受給資格者)と認定されると、給付制限がなく、7日間の待期期間後すぐに給付が開始されます。
給付日数も90日〜330日と手厚くなっており、経済的な影響には大きな差が出ます。
自分の離職区分はどれ?離職理由コードごとの意味と具体例一覧
離職票-2には、離職理由を分類する「離職区分」がコードで記載されます。例えば、「4D」は正当な理由のない自己都合退職、「2A」は特定雇止め、「2C」は期間満了(更新明示なし・本人は更新希望)を指します。残業時間が月45時間を超える状況が続いたことによる離職は、「特定受給資格者の範囲」として扱われる可能性があります。
このコードによって給付条件が判断されるため、ハローワークのWebサイトなどで自分の退職理由がどの区分に該当するかの例を確認しておくとよいでしょう。
離職票の理由に納得できない!「自己都合」とされた時の異議申し立て手順
退職勧奨やハラスメントが原因で退職したにもかかわらず、会社から送られてきた離職票の理由が「自己都合」とされている場合があります。
このような、会社側の主張する離職理由に納得できない場合は、ハローワークに対して異議申し立てを行う手続きが可能です。
泣き寝入りせず、正当な権利を主張するための手順を解説します。
まず離職票-2の「異議の有無」欄で「有り」に丸をつける
異議申し立ての第一歩は、離職票-2の右下にある「離職者本人記入欄」で行います。
この欄には「事業主が主張する離職理由に異議 有り・無し」という項目があります。
会社の記載した理由に納得できない場合は、必ず「有り」に丸を付けてください。
この意思表示が、ハローワークで異議申し立て手続きを開始するための起点となります。
理由欄の具体的な記述は空欄のままで問題ありません。
ハローワークの窓口で事実と異なる点を具体的に説明する
離職票をハローワークの窓口に提出する際、異議有りとした理由を職員に具体的に説明します。
例えば、「実際は退職勧奨を受けて退職に同意したにもかかわらず、自己都合と記載されている」「月80時間以上の残業が常態化しており、体調を崩してやむなく退職した」など、会社の主張と事実がどのように異なるのかを時系列で分かりやすく伝えましょう。
客観的な証拠(メールや就業規則など)を準備して提出する
異議申し立ての判断は、客観的な証拠に基づいて行われます。
そのため、自分の主張を裏付ける証拠をできるだけ多く準備して提出することが重要です。
証拠となりうるものには、解雇通知書、退職勧奨のやり取りが分かるメールや録音データ、長時間労働を示すタイムカードのコピー、給与明細、就業規則、医師の診断書などが挙げられます。
これらの証拠を基に、ハローワークが最終的な離職理由を判断します。
【見本付き】届いた離職票の書き方を項目別に徹底解説
会社から離職票が届いたら、ハローワークに提出する前に自分で記入すべき箇所がいくつかあります。
記入漏れや間違いがあると手続きがスムーズに進まない可能性があるため、見本を参考にしながら正確に書き進めましょう。
ここでは、特に重要な「離職票-1」と「離職票-2」の書き方を項目別に詳しく解説します。
「離職票-1」では個人情報と振込先金融機関の口座情報を記入する
「離職票-1」は、主に個人情報と失業保険の振込先口座を記入する書類です。
まず、氏名や住所などの個人情報を確認し、変更があれば修正します。
次に、中央部分にある「求職者給付等払渡希望金融機関指定届」の欄に、失業保険を受け取りたい金融機関名、支店名、口座種別、口座番号を正確に記入し、届出印(または署名)を押します。
この1枚で口座登録が完了します。
「離職票-2」では署名と離職理由へのチェックが必須
「離職票-2」では、主に2箇所の記入が必要です。
まず、書類左側の「離職理由」欄を確認し、事業主が選択した理由に相違なければ、その下の「離職者本人の判断」欄の該当する理由に丸をつけます。
次に、右下の「離職者本人記入欄」にある「事業主が主張する離職理由に異議 有り・無し」のどちらかに丸を付け、最後に署名欄に日付を記入し、自分の名前を署名します。
この1と2の書類をセットで提出します。
離職票を紛失してしまった場合の再発行手続き
失業保険の申請に不可欠な離職票ですが、万が一受け取った後に紛失してしまった場合でも、再発行の手続きが可能です。
再発行には主に2つの方法がありますので、自分の状況に合わせて適切な方法を選択しましょう。
手続きには時間がかかる場合もあるため、紛失に気づいたら速やかに行動することが大切です。
ハローワークの窓口で再発行を申請する方法
最も確実で早い方法は、自分の住所地を管轄するハローワークの窓口で直接再発行を申請することです。
窓口に備え付けの「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」に必要事項を記入し、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)と印鑑を添えて提出します。
退職した会社の情報(名称、所在地、電話番号)が必要になるため、事前に調べておくと手続きがスムーズです。
退職した会社に再発行を依頼する方法
退職した会社に連絡を取り、離職票の再発行を依頼することも可能です。
会社はハローワークで再発行手続きを代行してくれます。
しかし、会社側もハローワークに出向いて手続きを行う必要があるため、担当者の手間や時間がかかり、結果的に自分の手元に届くまで日数を要するケースが多くなります。
急いでいる場合は、自分でハローワークに出向く方が良いでしょう。
転職活動の準備に|AIが履歴書作成をサポートする「ヤギッシュ」
失業保険の手続きと並行して、次のキャリアに向けた転職活動も重要です。
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離職票に関するよくある質問
ここでは、離職票に関して多くの方が抱える疑問について、Q&A形式で簡潔に解説します。
離職理由の扱いや、転職先が決まっている場合に離職票が必要かなど、具体的なケースを想定した回答をまとめました。
Q. 退職後、離職票はだいたい何日くらいで届きますか?
通常、退職後10日〜2週間程度で会社から郵送されてきます。
会社がハローワークで手続きを行い、その後本人に郵送するという流れを経るため、一定の期間が必要です。
もし3週間以上経過しても届かない場合は、まず会社に状況を確認し、それでも対応がない場合はハローワークに相談してください。
Q. 会社から渡された離職票の理由が「自己都合」になっていますが、納得できません。どうすればいいですか?
ハローワークで異議申し立てが可能です。
離職票-2の「事業主が主張する離職理由に異議有り」に丸を付け、ハローワークの窓口で事実と異なる点を説明してください。
その際、退職勧奨のメールや長時間労働の記録など、客観的な証拠を提出すると、主張が認められやすくなります。
Q. 転職先がすでに決まっている場合でも離職票は必要ですか?
失業保険を受給しないため、ハローワークへの提出は不要です。
しかし、転職先の会社から雇用保険の加入手続きで提出を求められる場合があります。
必須ではありませんが、念のため受け取っておくと安心です。
突然退職する場合の退職届の書き方については「突然辞める場合の退職届の書き方と注意点」で詳しく紹介しています。
不要な場合は、退職時に会社へ離職票は不要である旨を伝えれば発行されません。
まとめ
離職票(雇用保険被保険者離職票)は、失業保険を受給するために必須の公的書類であり、退職後の生活を支える上で非常に重要です。
手元に届くまでの手続きの流れを理解し、2週間以上経っても届かない場合は会社やハローワークへ速やかに確認しましょう。
特に「離職理由」は給付内容に直結するため、内容をよく確認し、事実に相違がある場合は異議申し立てを行うことが大切です。
不明な点があれば、一人で悩まずハローワークに相談してください。
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