フルコミッションは違法?雇用契約と業務委託で変わる境界線とは
最終更新日:2026/09/08
目次を開く目次
この記事でわかること
- 雇用契約と業務委託契約で異なるフルコミッションの違法性の判断基準
- 労働基準法上の「保障給」など、違法となる具体的な法的根拠
- 契約書だけでは判断できない「名ばかり業務委託」の見分け方
- 違法にならない成果報酬型の働き方と、困ったときの相談先
「成果がゼロなら給料もゼロ」というフルコミッション(完全歩合制)の働き方に、法的な問題はないのか不安に感じていませんか。
フルコミッションとは、成果に応じて報酬が支払われる給与体系のことです。
この記事を読めば、「雇用契約」と「業務委託契約」という契約形態の違いによって、フルコミッションの違法性がどのように変わるのかを理解し、自身の状況が法的に問題ないか判断できるようになります。
フルコミッションの違法性は契約形態で決まる

フルコミッション、すなわち完全歩合制が違法かどうかは、企業と働く人との間で結ばれる「契約形態」によって結論が異なります。
具体的には、会社に雇用される「雇用契約」か、対等な立場で仕事を引き受ける「業務委託契約」か、という点が重要な分かれ目になります。
雇用契約のもとでは労働者として法律で保護されるため、フルコミッションは違法です。
一方で、個人事業主などが結ぶ業務委託契約では、原則としてフルコミッションも認められています。
| 契約形態 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 雇用契約 (正社員・アルバイトなど) |
違法 | 労働基準法の保護規定(保障給)に反するため |
| 業務委託契約 (個人事業主など) |
原則適法 | 労働基準法の適用を受けず、対等な契約のため |
【違法】雇用契約におけるフルコミッションは法律で禁止されている
正社員やアルバイトといった「雇用契約」を結んでいる労働者に対して、フルコミッションを適用することは法律で禁止されています。
これは、労働基準法によって労働者の生活を保障する義務が会社側に課せられているためです。
成果が出なかった月に給与がゼロになるような契約は、この保護規定に反するため認められません。
もし雇用契約でありながら完全歩合制を提示された場合、その契約内容は違法である可能性が非常に高いです。
【適法】業務委託契約におけるフルコミッションは原則として認められる
個人事業主(フリーランス)として企業と「業務委託契約」を結ぶ場合、フルコミッションは原則として適法です。
業務委託契約は、労働者を保護する労働基準法の適用を受けません。
なぜなら、企業と個人が対等なパートナーとして業務の成果に対して報酬を支払う契約だからです。
そのため、成果がなければ報酬が発生しないという完全成果報酬型の契約も、双方の合意があれば有効に成立します。

雇用契約下のフルコミッションが違法となる法的根拠を解説

雇用契約を結んでいる労働者に対し、フルコミッション(完全歩合制)を適用することがなぜ違法なのか、その背景には労働者を守るための法律が存在します。
特に重要なのが「労働基準法」です。
この法律は、労働者が最低限の生活を維持できるよう、給与に関するルールを定めています。
この章では、フルコミッションが違法となる具体的な法的根拠について、労働基準法の条文を交えながら分かりやすく解説します。
労働基準法第27条で定められた「保障給」とは?
保障給とは、成果に関わらず労働者が受け取れる最低限の給与のことです。
労働基準法第27条では、出来高払制(歩合制)で働く労働者に対し、会社は労働時間に応じた一定額の賃金(保障給)を保障しなければならないと定めています。
これは、成果が出ない月でも労働者の生活が困窮しないようにするためのセーフティネットです。
したがって、給与が完全に成果のみで決まるフルコミッションは、この保障給の規定に違反するため違法となります。
最低賃金を下回る給与も違法となる可能性がある
フルコミッション制だけでなく、歩合給を取り入れた給与体系では「最低賃金法」にも注意が必要です。
歩合給を含めた給与総額を時給換算した際に、国が定める最低賃金額を下回ってしまう場合、その契約は最低賃金法違反となります。
たとえ固定給があったとしても、歩合給の成果が振るわなかった月に最低賃金を下回れば違法です。
会社は、労働時間に応じた最低賃金以上の給与を支払う義務があります。

その契約、本当に業務委託?「名ばかり業務委託」に要注意

契約書の上では「業務委託契約」となっていても、働き方の実態によっては法的に「雇用契約」とみなされ、フルコミッションが違法と判断されるケースがあります。
これを「名ばかり業務委託」や「偽装請負」と呼びます。
これは、企業が労働法の規制を逃れるために、形式的に業務委託契約を結ぶ手口です。
ここでは、その契約が本当に業務委託なのか、それとも実質的な雇用なのかを見分けるための重要なポイントを解説します。
| チェックポイント | こんな状態は要注意 |
|---|---|
| ①「労働者性」の有無 | 実態として会社の指揮監督下で働いている |
| ②指揮命令の有無 | 始業・終業時刻の指定や日報提出の義務がある |
| ③時間・場所の拘束 | 勤務時間や勤務場所を一方的に指定され拒否できない |
「労働者性」の有無が違法かどうかの判断基準になる
契約形態が雇用か業務委託かを判断する上で最も重要な基準が「労働者性」の有無です。
労働者性とは、会社の指揮監督下で働き、その対価として報酬を得ているかどうか、という実態を指します。
契約書の名称が「業務委託契約書」であっても、働き方が実質的に会社の指示に従って労働力を提供している状態であれば、その人は「労働者」と判断されます。
その場合、労働基準法が適用され、フルコミッション契約は違法となります。
会社の指揮命令下で働いている場合は労働者とみなされる
労働者性が認められる典型的な例が、会社の具体的な指揮命令を受けている場合です。
例えば、始業・終業時刻や休憩時間が細かく指定されていたり、業務の進め方について上司から具体的な指示を受けたり、日報の提出が義務付けられていたりする場合、それは単なる業務の委託とは言えません。
このような働き方は、独立した事業者ではなく、会社の管理下にある労働者と判断される可能性が極めて高くなります。
時間や場所を厳しく拘束されている場合も注意が必要
勤務時間や勤務場所を会社から一方的に指定され、それを拒否する自由がない場合も、労働者性が認められる重要な要素となります。
業務委託契約であれば、本来、いつ、どこで仕事をするかは個人の裁量に委ねられるのが原則です。
しかし、オフィスへの出社が義務付けられていたり、特定のシフトでの勤務を強制されたりする場合は、雇用契約に近いと判断されることがあります。
契約内容と働き方の実態に乖離がないか、注意深く確認することが必要です。

違法にならない成果報酬型の働き方とは

成果に応じて収入を増やしたいという希望と、法律を遵守するという企業の義務を両立させる働き方が存在します。
違法なフルコミッションに頼らずとも、個人の頑張りを報酬に反映させることは可能です。
その代表的な方法が、毎月の安定した収入を確保しつつ、成果に応じたインセンティブを加える給与体系です。
ここでは、法律の範囲内で認められている、健全な成果報酬型の働き方について解説します。
「固定給+歩合給」が法律を守った一般的な給与体系
日本の多くの営業職などで採用されているのが、「固定給+歩合給(インセンティブ)」という給与体系です。
この方法では、成果に関わらず毎月支払われる固定給で最低限の生活を保障し、その上で個人の成果に応じて歩合給が上乗せされます。
これにより、労働者は安定した収入基盤の上で、より高い報酬を目指してモチベーションを維持できます。
企業側も、労働基準法を遵守しながら成果に報いることができるため、最もバランスの取れた制度と言えます。
インセンティブの割合は契約前にしっかり確認しよう
「固定給+歩合給」の制度で働く場合、契約前にインセンティブ(歩合給)の割合や計算方法を詳細に確認することが極めて重要です。
どのような成果を上げれば、いくらのインセンティブが支払われるのか、その基準が明確でなければ、後々のトラブルにつながりかねません。
売上に対する割合、契約件数に応じた金額など、報酬基準が具体的かつ書面で明記されているかを確認し、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

もし違法なフルコミッション契約を提示されたら?主な相談先を紹介

もし、自身の契約が違法なフルコミッションではないかと疑われる場合や、会社からそのような条件を提示されて困っている場合には、一人で悩まず専門機関に相談することが重要です。
法律の専門家や行政機関は、労働者の権利を守るための知識と手段を持っています。
ここでは、具体的な状況に応じて相談できる、信頼性の高い窓口を2つ紹介します。
適切な場所に相談することで、問題解決への道筋が見えてきます。
| 相談先 | こんな時におすすめ |
|---|---|
| 労働基準監督署 | 労働条件が違法かどうか、まず無料で相談・申告したい |
| 弁護士 | 未払い賃金があり、交渉や法的手続きを進めたい |
労働条件の相談ができる「労働基準監督署」
労働基準監督署(労基署)は、企業が労働基準法などの労働関連法規を守っているかを監督する国の機関です。
違法な労働条件に関する相談や、是非を求める申告を無料で行うことができます。
フルコミッション契約が労働基準法に違反している疑いがある場合、労基署に相談すれば、会社に対して調査や指導を行ってくれる可能性があります。
匿名での情報提供も可能ですので、まずは相談してみることをお勧めします。
未払い賃金の請求などを相談できる「弁護士」
保障給などが支払われず、すでに未払いの賃金が発生している場合には、弁護士への相談が有効な選択肢となります。
弁護士は、法律の専門家として個人の代理人となり、会社との交渉や、必要であれば裁判手続き(労働審判や訴訟)を進めることができます。
特に、会社側が違法性を認めず話し合いに応じないケースでは、法的な強制力を持つ手続きが必要になるため、弁護士の力が不可欠です。
初回相談を無料で受け付けている法律事務所も多くあります。

フルコミッションの違法性に関するよくある質問

フルコミッションの違法性について多くの方が抱く疑問にQ&A形式で回答します。
Q. 「正社員でフルコミッション」という求人は違法ですか?
はい、違法です。正社員は雇用契約にあたり、労働基準法で保護されます。そのため、成果が出ない場合に給与がゼロになるフルコミッションは、労働時間に応じた賃金を保障する保障給の規定に反するため、法律で認められていません。
Q. フルコミッションの業務委託契約を結ぶ際に確認すべきことは何ですか?
主に3点を確認してください。第一に、報酬の計算方法や支払条件が明確か。第二に、会社の指揮命令や時間・場所の拘束がなく、自身の裁量で業務を進められるか。
第三に、経費の負担範囲はどこまでか。これらを事前に書面で確認することが重要です。
Q. 業務委託で成果がゼロだった月、給料は全く支払われないのでしょうか?
はい、原則として報酬は支払われません。業務委託契約は、あくまで仕事の完成や成果に対して報酬が支払われる契約です。そのため、契約内容に特別な定めがない限り、成果がゼロだった月の報酬もゼロになります。これが雇用契約との大きな違いです。
まとめ

フルコミッション(完全歩合制)が違法かどうかは、契約形態によって明確に分かれます。
正社員やアルバイトなどの「雇用契約」では、労働基準法により保障給の支払いが義務付けられているため、フルコミッションは違法です。
一方で、個人事業主として結ぶ「業務委託契約」では、原則としてフルコミッションも認められます。
ただし、契約書が業務委託でも、実態が会社の指揮命令下にある「名ばかり業務委託」は違法と判断されるため注意が必要です。
自身の働き方がどちらに該当するのかを正しく見極め、もし違法性が疑われる場合は、労働基準監督署や弁護士といった専門家へ相談しましょう。
安心して働ける業務委託の営業パートナー「ヤギバディ」とは
株式会社Yagishと業務委託契約を結び、Yagishが提供する商材の営業活動を担うパートナーが「ヤギバディ」です。
法律を遵守した健全な業務委託の形で、自身の営業スキルを活かしたいと考えている方に適した働き方を提供します。
フルリモートで活動でき、個々の事情に合わせた柔軟な働き方が可能です。
単なる業務委託ではなく、仲間とつながり、支え合いながら共に成長できるコミュニティとしての側面も持っています。
時間や場所に縛られず個人の事情を優先できる働き方を実現
ヤギバディは、育児や介護、副業など、個人の「どうしても外せない時間」を尊重する働き方を推奨しています。
フルリモートでの活動が基本となり、時間や場所に縛られることはありません。
推奨される稼働スタイルは、平日の日中から夕方にかけて、週3〜4日、1日3〜5時間程度です。
これにより、プライベートな時間を大切にしながら、これまでのキャリアを活かしてプロフェッショナルとして活躍し続けることが可能になります。
営業活動に集中できる充実のサポート体制とコミュニティ
業務委託で働く上で感じやすい孤独感や不安を解消するため、ヤギバディでは手厚いサポート体制を整えています。
営業活動に必要な企業リストが提供されるほか、「GoogleWorkspace」などのITツールを用いてチームと常に連携を取ることができます。
これにより、一人で問題を抱え込むことなく、効率的に営業活動に専念できる環境が実現されています。
また、他のヤギバディとの交流会も開催され、仲間と情報交換しながら切磋琢磨できます。
成果が報酬に直結しサブスク商材で継続収入も目指せる
ヤギバディの報酬は、成果に応じて支払われる仕組みです。
報酬の目安として平均売上の3割が支払われ、週3〜5日稼働した場合、月15〜30万円程度の報酬を得ている実績例もあります。
扱う商材にはサブスクリプション型のサービスも含まれており、契約が継続する限り安定した収入につながるストック型報酬の構築も可能です。
成果は正当に評価され、実績次第で報酬の配分率がアップすることもあります。
なぜ「ヤギバディ」は多くのフリーランサーに選ばれるのか

多くのフリーランサーが、次のキャリアとしてヤギバディを選ぶのには明確な理由があります。
それは、単に自由な働き方ができるだけでなく、自身のスキルアップやキャリア形成につながる環境、そして何より営業活動がしやすい魅力的な商材が揃っている点です。
ここでは、ヤギバディが提供する独自の価値と、選ばれる理由についてさらに深く掘り下げていきます。
営業ノウハウを体系的に学べるオンライン講座が充実しているから
ヤギバディとして活動を始めるにあたり、充実したオンライン講座で営業ノウハウを体系的に学ぶことができます。
これにより、ブランクがある方や、これまでとは異なる業界の商材を扱うことに不安がある方でも、安心してスタートを切ることが可能です。
Yagishの社員による手厚いサポートを受けながら、最新の営業手法や商材知識をインプットできるため、常に自身のスキルをアップデートし続けられます。
高いコストパフォーマンスで顧客に提案しやすい商材を扱えるから
ヤギバディが扱う主な商材は、企業の課題解決に直結するコストパフォーマンスに優れたサービスです。
ダイレクトリクルーティングサービス「ヤギオファー」も、採用コストを抑えたい企業に響きやすい商材のひとつです。顧客に喜ばれ、感謝される商材を扱えることは、営業活動を行う上での大きなやりがいにつながります。
そのほか、オールインワン業務管理ツール「ヤギワークス」は、1人あたり月額約200円という低コストで導入できるため、ツールが乱立しコスト高騰に悩む企業にとって非常に魅力的な提案となります。
顧客に喜ばれ、感謝される商材を扱えることは、営業活動を行う上での大きなやりがいにつながります。
個人の実績を正当に評価し正社員登用も可能だから
ヤギバディとしての活動は、業務委託契約に留まりません。
本人の希望と営業成果が認められた場合、3ヶ月の試用期間を経て、正社員へ転換する道も開かれています。
これは、個人の実績を正当に評価し、長期的なキャリア形成を支援するYagishの姿勢の表れです。
ライフステージの変化に合わせて、業務委託を続けるか、正社員を目指すか、柔軟にキャリアを選択できる点も大きな魅力の一つです。
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監修者:島伸明
株式会社Yagishの取締役CMO。履歴書作成サービス「Yagish(ヤギッシュ)」の成長を牽引し、2024年には800万UUを突破、会員登録者数160万人を達成するなど、日本のキャリア支援市場で高い実績を誇る。大手企業での新規事業・海外事業に加え、複数の企業で取締役を歴任。事業企画、EC、エンタメ、ゲーム開発、マーケティング、コンサルティングと多岐にわたる分野で豊富な経験を持ち、キャリア形成に深い知見を持つ。
