退職の流れとやること|手続き・上司への伝え方・退職届の書き方
最終更新日:2026/08/17
目次を開く目次
この記事でわかること
・ 退職を決意してから上司に伝えるまでの具体的な準備
・ 円満退職の鍵となる、上司への伝え方とタイミング
・ 退職届の作成から業務引き継ぎまでの社内での進め方
・ 退職後に必要な健康保険や失業保険などの公的手続き
会社を退職する際は、適切な手順を踏むことで円満な退職につながります。
この記事では、退職を決意してから最終的な手続きが完了するまでの一連の流れと、それぞれの段階でやるべきことを網羅的に解説します。
上司への退職意思の伝え方から、退職届の書き方、引き継ぎの進め方、さらには公的な手続きまで、退職に関するあらゆる「やること」を具体的に説明するため、安心して準備を進められます。
退職を決意したら最初にやるべき3つの準備
退職の意思が固まったら、感情的に行動するのではなく、まずは計画的に準備を進めることが重要です。
最初にやるべきこととして、勤めている会社の就業規則を確認し、退職の申し出に関するルールを把握します。
次に、上司へ伝えるための退職理由と希望日を整理し、最後に転職活動の計画や退職後の生活費の試算など、将来の見通しを立てておくと、その後の手続きがスムーズに進みます。
会社の就業規則で退職の申し出時期を確認する
円満退職を目指す上で、まず自社の就業規則を確認することが不可欠です。
多くの会社では「退職を希望する場合、退職予定日の1ヶ月前までに申し出ること」といった独自のルールを定めています。
一般的な企業では1ヶ月前や2ヶ月前、長い場合は3ヶ月前という期間が設定されていることもあります。
法律(民法第627条)上は、期間の定めのない雇用契約の場合、退職の申し出から2週間で退職できるとされていますが、業務の引き継ぎなどを考慮し、まずは会社のルールを尊重するのが社会人としてのマナーです。
自分の退職理由と希望退職日を具体的に整理する
上司へ退職の意思を伝える前に、その理由と希望する退職日を明確にしておく必要があります。
退職理由は、会社の不満などを詳細に伝える必要はなく、「一身上の都合により」で問題ありません。
ただし、上司から尋ねられた際に備え、キャリアアップや新たな挑戦といった、できるだけ前向きな理由を自分の中で整理しておくと、スムーズな話し合いにつながります。
希望退職日については、繁忙期を避け、業務の引き継ぎに必要な期間を十分に考慮した上で、具体的な日付を設定しておくことが大切です。
転職活動の計画や退職後の生活費を試算しておく
退職後の生活を安定させるために、経済的な準備は非常に重要です。
すでに転職先が決まっている場合を除き、退職してから次の仕事が見つかるまでの生活費を具体的に試算しておきましょう。
家賃や食費、税金、保険料などを考慮し、最低でも3ヶ月分、できれば半年分の生活費があると安心です。
また、退職金制度の有無や、ハローワークで手続きをすることで受け取れる雇用保険(失業保険)の給付金がいつから、いくらもらえるのかを事前に調べておくことで、より具体的な資金計画を立てられます。
【円満退職の鍵】上司への退職意思の伝え方とタイミング
円満退職を実現するためには、退職の意思を誰に、いつ、どのように伝えるかが最も重要なポイントです。
適切なタイミングを見計らい、正しい手順で切り出すことで、会社との良好な関係を保ったまま退職手続きを進められます。
感情的にならず、誠実な態度で相談することが、スムーズな退職への第一歩です。
ここでは、退職の切り出し方や伝えるタイミング、具体的な伝え方を解説します。
退職の意思は希望日の1~3ヶ月前に直属の上司へ直接伝える
退職の意思は、まず直属の上司に直接、口頭で伝えるのが基本的なマナーです。
伝えるタイミングは、就業規則の規定を確認した上で、業務の引き継ぎや後任者の選定にかかる期間を考慮し、退職希望日の1ヶ月前から、余裕をもって3ヶ月前に設定するのが一般的です。
同僚や他部署の社員に話す前に、必ず直属の上司に最初に伝えるようにしましょう。
アポイントを取る際は、「お話がありますので、少々お時間をいただけますでしょうか」と伝え、会議室など他の人に話が聞こえない場所を確保するのが望ましいです。
退職理由を伝える際の例文と好印象を与えるポイント
退職理由を伝える際は、たとえ会社に不満があったとしても、それを直接的な表現で伝えるのは避けるべきです。
円満退職のためには、感謝の気持ちとともに前向きな理由を述べることがポイントです。
例えば、「新しい分野に挑戦したい」「専門的なスキルをさらに高めたい」といったキャリアアップを理由にするのが一般的です。
具体的な伝え方としては、「一身上の都合により、〇月末で退職させていただきたく、ご相談に参りました」と切り出し、もし理由を尋ねられた場合は、例文のように個人的な目標やキャリアプランについて話すと良い印象を与えられます。
上司から強い引き止めにあった場合の具体的な対処法
退職の意思を伝えた際、上司から強い引き止めにあうケースは少なくありません。
給与や待遇の改善を提案されたり、後任がいないことを理由に止められることもあります。
このような場合は、まず引き止めてくれることへの感謝を述べましょう。
その上で、退職の意思が固く、すでに熟慮した上での決断であることを冷静かつ丁寧に伝えます。
感情的になったり、会社の不満を口にしたりせず、「自分の将来のために決めたことです」と一貫した姿勢を保つことが大切です。
もし退職を一方的に拒否されるなど、話が進まない場合は、人事部やさらに上の役職者に相談する方法も検討します。
退職日を確定させ退職届を作成・提出する
上司との話し合いを経て、最終的な退職日が確定したら、正式な書類として退職届を作成し、提出します。
退職の意思表示を明確にするための重要な手続きです。
退職届と似た書類に「退職願」がありますが、両者の役割は異なります。
ここでは、それぞれの違いを理解した上で、正しい届の書き方や、提出する際の封筒の選び方、マナーについて解説します。
「退職願」と「退職届」の役割と提出する状況の違い
「退職願」と「退職届」は、提出する目的と法的な効力が異なります。
「退職願」は、会社に対して「退職させてもらえないでしょうか」と願い出るための書類であり、会社が承諾する前であれば撤回が可能です。
一方、「退職届」は確定した意思を届け出るための書類で、原則として撤回できません。
一般的な流れとしては、まず口頭で上司に退職の意思を伝え、退職日が確定した後に、会社の指示に従って「退職届」を提出します。
退職願と退職届の違いを理解し、状況に応じて適切な書類を提出することが重要です。
【テンプレート有】退職届の正しい書き方を項目別に解説
退職届は、会社の規定がなければ手書きでもパソコン作成でも問題ありません。
A4またはB5サイズの白い便箋に、縦書きで書くのが一般的です。
まず一行目の中央に「退職届」と記載し、次の行の下部に「私儀」と書きます。
本文には「このたび、一身上の都合により、来たる令和〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。」と、退職理由と退職日を明記します。
その後、提出日、所属部署名、氏名を書き、捺印します。
最後に、会社の正式名称と代表取締役の役職・氏名を、自分の名前より上に記載して完成です。
文章は簡潔に、必要な情報のみを記載します。
退職届を入れる封筒の選び方と手渡しする際のマナー
退職届を提出する際は、封筒の選び方や渡し方にもマナーがあります。
封筒は、郵便番号欄のない白無地の二重封筒(長形3号または長形4号)が適しています。
封筒の表面中央に「退職届」と黒のボールペンまたは万年筆で書き、裏面の左下に自分の所属部署と氏名を記載します。
退職届の便箋は、文字が書かれた面を内側にして三つ折りにし、封筒に入れます。
のり付けは必須ではありませんが、する場合は「〆」マークを記します。
提出は、直属の上司に直接手渡しするのが基本です。
他の書類に紛れないよう、封筒に入れた状態で渡しましょう。
AIで簡単作成!ヤギッシュなら退職届もスムーズに準備できる
退職届の作成に手間をかけたくない場合、テンプレートを利用すると便利です。
例えば、履歴書作成サービス「ヤギッシュ」では、退職届や退職願のテンプレートも用意されており、必要な項目を入力するだけで簡単に正式な書類を作成できます。
作成した書類はPDF形式でダウンロードできるため、自宅のプリンターやコンビニのネットプリントサービスを利用してすぐに印刷可能です。
このようなツールを活用することで、書類準備にかかる時間を短縮し、引き継ぎなどの他の重要なタスクに集中できます。
最終出勤日までに必要な業務の引き継ぎと挨拶回り
退職日が確定してから最終出社日までの期間は、業務の引き継ぎと関係者への挨拶を計画的に進める必要があります。
自分が担当していた業務を後任者へスムーズに移行させ、社内外の関係者へ感謝の気持ちを伝えることは、円満退職のための最後の重要なステップです。
最後まで責任ある行動を心がけることで、会社に良い印象を残し、良好な人間関係を保ったまま次のステージへ進むことができます。
後任者の負担を減らすための引き継ぎ計画の立て方
スムーズな引き継ぎは、後任者やチームの負担を軽減するために不可欠です。
まず、自分が担当している業務をすべてリストアップし、それぞれの業務内容、手順、関係者の連絡先、注意点などを整理します。
そのリストをもとに、退職日までのスケジュールを立て、いつまでに何を教えるかを計画的に進めましょう。
口頭での説明だけでなく、誰が見ても業務内容が理解できるように、マニュアルや手順書といった形で資料を作成しておくことが重要です。
可能な限り後任者と同行し、実際の業務を見せながら説明する機会を設けることで、より丁寧な引き継ぎが実現します。
残っている有給休暇を円滑に消化するための相談方法
年次有給休暇が残っている場合、退職日までにすべて消化することが労働者の権利として認められています。
しかし、円満退職を目指すなら、一方的に取得を宣言するのではなく、上司と相談の上で計画的に消化することが望ましいです。
退職の意思を伝え、退職日が決まったタイミングで、残っている有給の日数を確認し、引き継ぎスケジュールと調整しながら取得計画を相談しましょう。
「引き継ぎを完了させた上で、最終出社日を〇月〇日とし、残りの期間で有給を消化させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」のように、業務への配慮を示しながら相談すると、円滑に進みやすくなります。
社内外の関係者へ感謝を伝える挨拶回りの進め方
お世話になった社内外の関係者への挨拶は、感謝の気持ちを伝える大切な機会です。
社内への挨拶は、退職が正式に公表された後に行うのがマナーです。
まずは直属の上司や部署のメンバー、その後、特にお世話になった他部署の方々へ直接挨拶に伺います。
最終出勤日には、部署の朝礼などで改めて挨拶の機会を設けてもらうのも良いでしょう。
社外の取引先へは、後任者を紹介する意味も込めて、できるだけ後任者と一緒に訪問し、退職の挨拶と引き継ぎについて説明します。
直接会えない場合は、メールで丁寧に挨拶状を送ります。
【漏れなくチェック】退職に伴う手続きと必要書類一覧
退職時には、社内での手続きだけでなく、公的な手続きも発生します。
会社に返却するものや、逆に会社から受け取るべき重要な書類が多数あります。
これらの手続きや書類に漏れがあると、失業保険の受給や税金の支払いに影響が出る可能性があるため、最終出勤日までにしっかりと確認しておくことが重要です。
ここでは、退職に伴う必要な手続きと、受け取る書類、返却物についてリストで解説します。
会社へ返却が必要なものリスト(健康保険証や社員証など)
退職日(または最終出勤日)までに、会社から貸与されていたものはすべて返却する必要があります。
返却漏れがないように、事前にリストアップして確認しましょう。
主な返却物には、健康保険証(被扶養者の分も含む)、社員証や入館証、名刺(自分のものと受け取ったもの)、会社の経費で購入した備品や文房具、制服、通勤定期券、業務で使用していたパソコンや携帯電話などが挙げられます。
特に、健康保険証は退職日の翌日から使用できなくなるため、速やかに返却が必要です。
会社から必ず受け取るべき重要書類リスト(離職票など)
退職後、公的な手続きを行うために会社から受け取るべき重要な書類があります。これらの書類は、退職後すぐに、または数週間以内に自宅へ郵送されるのが一般的です。
必ず受け取るべき書類には、雇用保険の失業給付を申請する際に必要な「離職票」、転職先で必要となる「雇用保険被保険者証」、年末調整や確定申告に使う「源泉徴収票」などがあります。
もし退職後しばらく経ってもこれらの書類が届かない場合は、速やかに人事部や総務部に問い合わせましょう。
退職後の国民健康保険と国民年金への切り替え手続き
退職してすぐに転職しない場合や、自営業を始める場合は、健康保険と年金の手続きを自分で行う必要があります。
健康保険については、主に3つの選択肢があります。
一つ目は市区町村の役所で「国民健康保険」に加入する方法、二つ目はそれまで加入していた会社の健康保険を最長2年間継続できる「任意継続」、三つ目は家族の扶養に入る方法です。
年金についても、会社員が加入する厚生年金から「国民年金」への切り替え手続きが必要です。
これらの手続きは、原則として退職日の翌日から14日以内にお住まいの市区町村役場で行います。
ハローワークで行う失業保険(雇用保険)の受給手続き
退職後に転職活動を行う場合、一定の条件を満たせば雇用保険の基本手当を受給できます。
この手続きは、自分の住所を管轄するハローワークで行います。
手続きには、会社から受け取った「離職票」のほか、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類、写真、印鑑、本人名義の預金通帳などが必要です。
失業保険を受給するためには、働く意思と能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態であることが前提となるため、ハローワークで求職の申し込みを行い、失業の認定を受ける必要があります。
退職に関するよくある質問
退職を考え始めると、法律に関わることから伝え方のマナーまで、さまざまな疑問が浮かぶものです。
ここでは、退職に関して特に多くの人が抱える疑問について、Q&A形式で分かりやすく解説します。
退職を拒否された場合の対処法や、退職理由の伝え方など、具体的な悩みを解決するための参考にしてください。
Q. 会社に退職を伝えるのは、何ヶ月前がベストですか?
会社の就業規則で定められた期間に従うのが基本で、一般的には1〜3ヶ月前が目安です。
法律(民法)上は2週間前の申し出で退職可能ですが、円満退職を目指すのであれば、業務の引き継ぎに必要な期間を考慮し、就業規則のルールを尊重することが望ましいです。
遅くとも1ヶ月前には直属の上司に伝えるようにしましょう。
Q. 「一身上の都合」以外の退職理由を正直に話すべきですか?
給与や人間関係など、ネガティブな理由を正直に話す必要はありません。
会社の不満を伝えると、感情的なしこりを残す可能性があり、円満な退職から遠ざかってしまいます。
もし具体的な理由を尋ねられた場合は、キャリアアップや新たな挑戦といった、前向きな理由に変換して伝えるか、「一身上の都合」で通すのが無難です。
Q. 会社が退職届を受け取ってくれない場合、どうすれば辞められますか?
内容証明郵便で退職届を会社に送付する方法が有効です。
これにより、退職の意思表示をしたという法的な証拠が残るため、会社は一方的に拒否できなくなります。
もし、それでも状況が改善しない、あるいは嫌がらせを受けるなどのトラブルに発展した場合は、労働基準監督署や弁護士といった専門機関に相談することを検討しましょう。
まとめ
退職を成功させるためには、事前の準備と計画的な行動が不可欠です。
まず、就業規則を確認して退職の意思を固めたら、上司への伝え方やタイミングに配慮し、円満な合意を目指します。
退職日が確定した後は、後任者への丁寧な引き継ぎを心がけ、最終出社日を迎えます。
最後に、健康保険や年金、失業保険といった公的な手続きを漏れなく行うことで、安心して次のステップへ進めます。
この一連の流れと各段階でやるべきことを着実に実行することが、スムーズな退職につながります。
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