2023.03.22

”個”を最重要視してつくった経営理念と経営ビジョン(株式会社ファイブ・ディグリーズ 山本二郎)②

アド・トップ:

起業されるきっかけとして、勤めていた会社が買収されるという出来事があったようですね。その時にどのような価値観でいらっしゃって、どのような想いで起業されたんですか?

 

山本社長:

「当時一緒に働いていた仲間と、『SESというビジネスは一生涯(高齢になってきた時には)できないよね』ということを話していて、いずれを作っていかないといけないという想いを持っていた仲間が何人かいたので、一緒に独立したという経緯です。それが今の経営理念やビジョンにも繋がっています。」

 

会社経営で一番大切にしている”経営理念”

 

アド・トップ:

改めて会社を経営していく中で一番大事にされていることはなんですか?

 

山本社長:

「経営ビジョンを達成していく上で、Link → Link → Linkという経営理念を定めていて、”紐付き、繋がり”を意味しています。」

「元々は”全員経営”という経営理念を定めていて、これは従業員全員が経営的な視点を持ってほしいという想いからつくりました。しかし残念ながら、色々な経営者がいるように”経営”という言葉を各々捉え方が違っていたんです。これは経営者と従業員が根本的に”紐付き、繋がりの数が違う”ということに気がついたんです。」

 

アド・トップ:

確かに色んな考え方を持った方はいますね。でも、繋がりの数が違うとは具体的にどういうことですか?

 

山本社長:

「具体的に言うと、従業員は自身の2つか3つ先までの紐付きや繋がり(例えば、今のお客様や今の自身の収入など)は考えていることがありますが、経営者はもっと先の紐付きや繋がり(社会に対してどう貢献できるか、3年後、5年後どうしていくかなど)まで考えています。このようにより先まで考えられることが”経営的な視点で物事を考えられる状態”だと私は考え、従業員にもそうなってほしいと言う想いからこのような経営理念を定めたんです。」

「社員に接するときも、理念に定めている”紐付き、繋がり”を考えてもらえるような関わり方を心がけています。お客様への言動一つによってお客様の評価は変わりますし、評価が変わることによって自身にどのような跳ね返りがあるか、会社にはどのような影響があるのかと言うことを常日頃考えてもらいたいと思っています。何か一つとっても、”紐付き、繋がり”を考えている人とそうでない人の回答は正解の精度が変わってくると思うんです。」

 

 

経営ビジョンは経営のゴール。達成に向けて従業員全体ではなく”個”の方を重要視

 

アド・トップ:

素晴らしいですね。経営理念に関連して経営ビジョンについても詳しく伺いたいです。経営ビジョンに掲げている「ライフ・ワーク・マネジメント」は経営理念とどう繋がってくるのでしょうか?

 

山本社長:

「先ほどの経営理念が枕詞になって2つにかかっています。ひとつは”主体性と問題解決”です。もうひとつは”成果、結果を追求する”です。この経営理念に置いている2つができないと、うち(自社)の経営ビジョンを達成できないと思っているんです。経営ビジョンである”ライフ・ワーク・マネジメント”の単語の順番にも意味合いがありまして、最初にあるライフ(私生活)が当社では最優先で、その次にワーク(仕事)、それを達成するためにマネジメント(管理)をしましょう、となっています。これは、まずはライフが充実していないと良い仕事はできないと考えているためです。」

 

アド・トップ:

「ワーク・ライフ・バランス」と言う言葉がありますが、「バランス」ではなく、優先順位をつけてそれを管理するための「マネジメント」なんですね。

 

山本社長:

「はい、そうです。これはうち(自社)でよりコントロールできるという意味合いでこのような単語を使っています。”バランス”と言う単語を使うことも考えたんですが、バランスであれば今でも取れているよねという話に社内でなりまして。よりコントロールできる環境にしよう、と言うことでこの単語を使うようになりました。」

 

アド・トップ:

すごく考えられてつくられた経営ビジョンですね。でも、まずは事業を伸ばして従業員にはその分給与で還元するという考え方もあると思いますが、そうではなく、”ライフ”が最優先と考えるようになったきっかけはあるんですか?

 

山本社長:

「元々、私も週3日くらいで働きたかったですし、一緒に創業した仲間も(常駐先ではなく)自社内では自由な働き方をしたいと言う者が多くて。あとは、うち(自社)のスタイルも従業員全体ではなく”個”の方を重要視しているんです。個が考えるキャリアパスを会社がサポートするという考え方で経営しています。あくまで会社にすがるだけではなく、自身でどうなりたいか、どうしていきたいかを考えてほしいと思っています。そこに対しては、会社としてしっかりサポートしていきたいです。」

アド・トップ:

なるほど、会社サイトを拝見しても、どういう事業を展開していくのか言う話よりも、社内や将来働く仲間に向けたメッセージが多い印象を受けました。”従業員”という総称で対峙するのではなく、”個”として捉えているのも、そのような考えが背景にあるからなんですね!

 

山本社長:

会社としては、①「自社サービスを展開していきたい」 → ②「個の観点から社員一人ひとりが経営的な視点で物事を考えられるように『全員経営』を掲げる」 → ③「今の理念やビジョンを掲げる」と言う変遷ですね。」

 

 

株式会社ファイブ・ディグリーズ 会社概要

 

代表者:代表取締役 山本 二郎

事業内容: ITサービス事業

  •  ITコンサルティング
  •  システム・エンジニアリング・サービス
  •  請負(開発・保守)
  • 新規事業企画・開発

住所:〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-31 クリエイト紀尾井町7F

会社HP:https://www.5degrees.co.jp/

採用HP:https://www.5degrees.co.jp/recruit/

経営理念: Link⇒Link⇒Link

人・仕事・社会との“つながり”の理解に努め、主体的に問題解決に取り組みます。常に結果を追求します。

経営ビジョン:ライフ・ワーク・マネジメント

 

 

株式会社アド・トップ

株式会社アド・トップ 「社長の流儀」編集担当