2023.03.05

コンサルタントから保育士へ転身。「保育士ための保育園」を自らの手で作るまで(キッズラボ株式会社:西原 優博)③

保育士として現場に入り、厳しい現実を知った

 

Yagish 柏崎「では改めて、ご自身で保育園を設立時期のことについて教えてください。」

 

キッズラボ 西原 優博「『そろそろ本気で保育園を作らなければ』と腹をくくったのは2011年東日本大震災が起こった年でした。阪神大震災に続き2回被災したことで自分もいつ死ぬかわからない』『僕が命をもらった意味は何なのだろう?とさまざまな思いが頭をよぎって。悩んだ挙句、その年に思い切って会社を退職。その後保育園の会社で仕事をしながら保育士の資格を取得しました。

 

Yagish 柏崎「外資系コンサルタントの経験やスキルがあれば、すぐに保育園経営に着手できる気がするのですが……保育士からスタートしたのはなぜですか?」

 

キッズラボ 西原 優博「確かにコンサルタント時代は保育事業にも関わったことがあったので、利益を出すやり方は何となく理解していました。一方で子どもたちの命を預かる仕事ですし、まずは現場を知ることが最優先なんじゃないかと。1度自分がいち保育士として働いてみないと、経営の本質が見えない気もしていました。」

 

(確かに現場を知らないと、「正しい経営」ができる業界ではないかもしれません。)

 

Yagish 柏崎「実際のところ、保育現場はどんな感じだったんでしょうか。」

 

キッズラボ 西原 優博「子どもではなく『大人目線』で運営している印象を受けました。慢性的な保育士不足を背景に、少数の保育士で多くの子どもを管理せざるを得ない状態で。効率性ばかりを重視して、大切にしなければならない子どもたちの個性や感性は置いてけぼりだったんです。」

 

Yagish 柏崎「現実は想像以上に厳しいものだったんですね。」

 

キッズラボ 西原 優博「さらに言うと、子どもだけでなく、保育士の育成にも手が回らない状態でした。僕自身、1年目からいきなり担任を任されたんですが、周りの先輩にあれこれ聞こうと思っても聞けない。皆さんすごくお忙しそうなので、とてもじゃないけれど質問できる雰囲気じゃなかったんです。」

 

Yagish 柏崎「どこの会社でもありそうな光景ですが……きっと比じゃないぐらい殺伐としていたんでしょうね。」

 

キッズラボ 西原 優博「勇気を出して先輩に質問しても、早口でまくし立てられちゃう。それがまるで怒っているようなそぶりで、こちらも段々と恐縮しちゃうわけです。こんな感じで常にギスギスしている職場だから、先生がどんどん辞めてしまう。焦って応急処置的に採用活動をすると、人材のミスマッチが起こってしまい、さらに職場がギスギスしてしまう……悪循環が止まらない感じでした。」

 

Yagish 柏崎「根本的にそうなってしまう原因は何でしょうか?」

 

キッズラボ 西原 優博「経営者が現場について全く知ろうとしていなかったのが、最たる原因だったんじゃないかと。実際に僕が保育士として働いている間、社長は保育園に一度も来ませんでしたそりゃあ窮状を訴えても、理解してもらえないわけです。」

 

キッズラボ 西原 優博「子どもたちはやりたいことをやらせてもらえない。保育士の出入りが激しいため、採用や教育のコストが上がる。挙句の果てには、利益を確保するために、『少ない人数で運営しろ』と言われてしまう。そんな現場を目の当たりにし、嫌な思いもたくさんしましたが、一方で自分はどういう保育園をつくるべきか』という理想形が明確になったんです。」

 

(理想形を言葉にするのって難しいですが・・・元コンサルタントの手腕なんでしょうか。)

 

 

子どもを盾に、保育士の善意を搾取したくない

 

キッズラボ 西原 優博「突然ですが……柏崎さんは保育園は誰のものだと思いますか?」

 

Yagish 柏崎「(急に振られてビビりましたが、ここは冷静に)……子どもたちのものですよね。」

 

キッズラボ 西原 優博「おそらく、多くの保育士の方もそう答えると思います。普通は子どもを一番に置きがちなんですよね。でも、これって実は非常に危ないんです。『子どもを最優先にします』と宣言することで、職員は残業してがんばりましょう』という理屈がまかり通ってしまう。つまり、子どもを盾に保育士の善意が搾取されてしまうんです。」

 

Yagish 柏崎「・・・。」

 

キッズラボ 西原 優博「僕も実際に保育園は子どもたちのものであり、保育士たちのものでもあると現場で感じたんです。一番大切にしなければならない子どもの安心はどこから来るのか。おそらく馴染みのある先生たちがずっと変わらず見守ってくれることなんですよね。となると、保育士の入れ替わりが激しい保育園は、子どもの安心感を損ねてしまう。」

 

(キッズラボでは子どもだけでなく、先生も終始笑顔だったのが印象的でした。)

 

キッズラボ 西原 優博「では保育士の方たちが安心して長く働き続けてもらうためにはどうしたらいいか。シンプルに退職する原因をなくしてしまえばいいんじゃないかと考えたんです。先ほどお話しした悪循環を断ち切るような取り組みですね。」

 

キッズラボ 西原 優博「しばらくして保育士にとって働きやすい環境を作り出すことが、子どもが安心できる環境につながり、それが保護者の信頼につながる。経営視点で話をすると、少子化の中で子どもたちが集まりやすい保育園にすれば、安定した売上が担保でき、ひいては保育士の待遇を改善できるという考えにたどり着きました。」

 

キッズラボ 西原 優博「こうして4年ほど保育業務に従事して『これは自分で保育園を立ち上げた方がいい』と確信。2015年にキッズラボを立ち上げることにした、というのが設立までの流れですね。」

 

Yagish 柏崎「いち保育士としての気づきや発見が、キッズラボの経営方針につながっているんですね。さらに詳しく教えてください!」

 

キッズラボ 西原 優博「わかりました!」

 

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キッズラボ株式会社 会社概要

 

 

 

代表者:代表取締役 学校法人英進学園 理事長 西原 優博(保育士)

企業理念:子どもたちの未来を創造し、子育て世代を応援する。

本社住所:東京都豊島区南池袋3-9-8 H2ビルディング8階

※インタビューは南流山園で実施(千葉県流山市木18)

公式HP:https://kids-lab.co.jp/

採用HP:https://kidslab-saiyo.com/

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※2023年4月開園の認定こども園

 

▼西原社長のインタビュー動画

 

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柏崎 宏洋

「社長の流儀」プロデューサー

「社長の流儀」コンテンツの総プロデューサーをしてます。その他、大学×Yagishの公式パートナーシップ契約締結準備、Yagishの採用担当、新規事業設計、その他色んなことを社長からやらされ、、、ではなく、喜んで対応中。