2023.03.05

「100年続く保育園」を目指して。採用と育成に注力しながら、保育士を一番に考える（キッズラボ株式会社：西原優博）⑤

地域に愛される保育園になるために。社長自らすべての採用活動に携わる

Yagish 柏崎「創業100年以上続く、いわゆる100年企業は国内では製造業や小売業が多いようです。ですから“100年続く保育園”ってすごくセンセーショナルな響きですね！（やや興奮気味）」

キッズラボ西原優博「寺院仏閣は別にしても、長期的に残って施設って珍しいですよね。小学校はどんどん廃校になっているし、コンビニだって数年でなくなっちゃう。でも僕が通っていた保育園は、神戸で60年ぐらい続いているんです。」

キッズラボ西原優博「そもそも私は『後世に残る、子どものための施設を作りたい』という想いでキッズラボを立ち上げました。100年、200年と永続させるためには、地域に愛される保育園にならなければならない。そのためには、まず職員を大事にしなければ好循環は生まれないんですよね。繰り返しになりますが。」

（「保育士を大事にすることが、子どもへの安心感につながる」というのが西原さんのお考えです！）

Yagish 柏崎「キッズラボには今、何名ぐらいの職員がいるんですか？」

キッズラボ西原優博「380名前後です。そのうち約300名が保育士です。採用活動は永続企業を目指す上で重要な業務なので、１から10まですべての工程に関わっています。ですから僕のスケジュールの半分以上は、採用面接で埋まっていますね。」

キッズラボ西原優博「面接では経営者自らがありのままの会社の姿を伝えるのが、僕が考えるベストな方法なんですよね。例えば人事担当に数字目標を持たせてしまうと、面接でオーバートークしがちになる。結果として人材のミスマッチが起きてしまうんです。」

（さまざまな経験を基に、ベストな方法を見出しているんですね）

新卒は各園に1名採用。質と量を考慮しながら育成に注力

Yagish 柏崎「中途だけでなく、新卒も募集しているんですか？」

キッズラボ西原優博「はい。新卒も毎年採用しています。2023年1月現在、東京・神奈川・千葉に18園を展開していて、それぞれに20名前後の保育士が在籍していますが、新卒に関しては各園に1名と決めています。」

Yagish 柏崎「規模に対して採用数が少ない印象なんですが、何か理由はあるんですか？」

キッズラボ西原優博「保育園の質と量のバランスを考慮しつつ、しっかりと新卒を育成したい、という考えが根底にあります。新卒が1名配属されるのと2名とでは、教育に費やす各園の労力が全く変わりますし、前者だと1名に対して20名の先輩保育士が教えるので、新人は20通りの保育の考え方に触れることができます。『最初の3年は手厚くケアする』という観点で考えると1名が限界かな、という実感値もあります。」

Yagish 柏崎「（こうやって聞くと、決して少ない採用数ではないな……）採用する上で条件みたいなものはありますか？」

キッズラボ西原優博「『他の先生を大切にできるか』『子どもの様子を優しく観察できるか』『自分、保護者を含めた他者に対して思いやりを持って接することができるか』の3つが私たちの採用条件です。これらの条件は新卒も中途も全く変わりませんし、入社後には評価基準となります。」