2025.06.08

【保存版】ビジネスメールの締め完全ガイド|好印象を与えるフレーズとシーン別例文集

「ビジネスメールの最後って、どう締めればいいの?」

「同じ言葉ばかりで、ワンパターンになってるかも」

ビジネスシーンでのメールやチャットのやり取りでは、内容と同じくらい「締めの一文」が大切です。

毎回同じような表現に頼っていたり、そもそも正しい書き方がわからなかったりして、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、

  • ビジネスメールで好印象を与える「締め」の基本パターン
  • 相手との関係性・状況別の使い分け例
  • 実際に使える例文

これらを交えて、わかりやすく解説します。

お礼・お詫び・依頼など様々なシーンで使える実践的なフレーズを集めましたので、参考にしてみてください。

 

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この記事の目次

 

ビジネスメールにおける締めの言葉が大事な理由

ビジネスメールの締めの言葉には、関係性を保つ意味であったり、相手に敬意を表現できる場であったりします。

単に添える言葉という意味合いだけでなく、使い分けができるだけでもワンランク上のビジネスパーソンになれるでしょう。

この章では、締めの言葉が使われる理由を詳しく解説します。

 

なぜ「締めの言葉」が重要なのか

ビジネスメールにおける締めの言葉は、送り手の誠意や敬意が相手に伝わる重要な要素です。

メールの送信者の人柄やビジネスマナーの理解度を示すバロメーターとしても機能します。

メールの内容がどれほどよくても、締めの言葉が不適切だと、相手に与える印象が大きく損なわれます。

特に日本のビジネス文化では、相手への配慮や礼儀を重視するため、適切な締めの言葉を選ぶことで、相手との信頼関係を深めることができます。

 

締めの言葉で印象が決まる

メールの締めの言葉は、読み手が最後に目にする部分であり、メール全体の印象を左右します。

心理学的にも、人は最後に受けた印象を強く記憶に残すという「終末効果」があることが知られており、ビジネスメールにおいても、この効果は現れます。

たとえば以下のような締め言葉と印象を表にしました。

 

印象の種類 適切な締めの例 不適切な締めの例
丁寧で好印象 何かご不明な点がございましたら、お気軽にお声がけください 以上です
配慮ある印象 お忙しい中恐縮ですが、ご確認のほどお願いいたします 確認してください
信頼できる印象 引き続きどうぞよろしくお願いいたします よろしく

 

相手の立場や状況を考慮し、最適な締めの言葉を選ぶことで、継続的で良好なビジネス関係を築くことができるのです。

>ビジネスメールを送る時の正しい書き方!基本、例文、返信のマナーを徹底解説

 

ビジネスメールの締めに使う言葉の基本マナー

ビジネスメールにおける締めの言葉は、相手に与える印象を大きく左右する重要な要素です。

適切な言葉選びができるかどうかで、あなたのビジネスマナーや社会人としての成熟度が判断されることもあります。

ここでは、締めの言葉を選ぶ際の基本的なマナーについて詳しく解説します。

 

相手に合わせて言葉を選ぶ

ビジネスメールの締めで最も重要なのは、相手との関係性や立場を考慮して適切な言葉を選ぶことです。

同じ内容のメールでも、送る相手によって締めの言葉は変える必要があります。

社外の取引先や初めてやり取りをする相手には、より丁寧で正式な表現を選ぶのが基本です。

一方、社内の同僚や部下に対しては、親しみやすさも大切にしながら、程良い敬語を使った締めや、上司との関係を配慮した締めの言葉が効果的です。

 

締めの署名欄も名刺同様の働きを持つ

ビジネスメールの締めには、本文の結び言葉だけでなく、署名欄も含まれます。

署名欄は対面でお渡しする名刺と同様の役割を果たすため、その内容にも注意を払う必要があります。

署名欄には、会社名、役職、部署名、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、ウェブサイトの内容の記載が一般的とされています。

部署異動、連絡先の変更があった際には、速やかに更新することを忘れないようにしましょう。

>⁨⁩ビジネスマナーの基本を徹底解説!名刺交換、電話、メールなど全てを網羅

 

ビジネスメールの締めのフレーズと使い方

ビジネスメールの締めの言葉は、相手に与える最終的な印象を左右する重要な要素です。

適切なフレーズを選択することで、プロフェッショナルな印象を与え、相手との良好な関係性を築くことができます。

 

よく使う定番フレーズ一覧

ビジネスメールで頻繁に使用される締めのフレーズには、それぞれ異なるニュアンスと適用場面があります。

以下の表は、代表的な締めのフレーズとその使用場面をまとめたものです。

 

締めのフレーズ 使用場面 丁寧度
よろしくお願いいたします 汎用的に使用可能
何卒よろしくお願い申し上げます 重要な依頼、目上への敬意 最高
お忙しい中恐れ入りますが 依頼・お願いの前置き
ご検討のほどよろしくお願いいたします 提案・検討依頼
引き続きよろしくお願いいたします 継続的な関係性の確認
今後ともよろしくお願いいたします 長期的な関係性への期待

 

これらの定番フレーズは、ビジネスメールの約8割で使用されており、相手に安心感を与える効果があります。

特に初回のやり取りや重要な案件では、これらの確実なフレーズを選択することで、失礼のない印象を与えることができます。

 

「よろしくお願いいたします」の適切な使い分け

「よろしくお願いいたします」は最も汎用性の高い締めのフレーズですが、前後の文脈や相手との関係性によって微妙な使い分けが必要です。

より丁寧さを表現したい場合は「何卒よろしくお願い申し上げます」を選択し、継続的な関係性を重視する場合は「引き続きよろしくお願いいたします」が適しています。

社内メールでは「よろしくお願いします」と「いたします」を省略することも可能ですが、社外の相手や目上の方には必ず「いたします」を付けた丁寧な表現を使用しましょう。

また、連続するメールのやり取りでは、毎回同じフレーズを使用せず、「お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします」のように前置きを変えることで、機械的な印象を避けることができます。

 

より丁寧に・柔らかくする言い換え表現

状況によっては、定番フレーズよりもさらに丁寧で柔らかい表現が求められる場合があります。

「恐れ入りますが」「お忙しい中、申し訳ございませんが」といった前置きを加えることで、相手への配慮を示すことができます。

また、「ご都合の良いときにご確認いただければと存じます」のように、相手のペースを尊重する表現も効果的です。

>【例文あり】お願い・依頼メールの書き方を徹底解説!丁寧な表現のコツや注意点

 

ビジネスメールの締めを上手に書くためのコツ

ビジネスメールの締めを効果的に書くためには、単にフレーズを覚えるだけでなく、相手との関係性やメール全体の流れを考慮した書き方が必要です。

ここでは、相手に好印象を与える締めの書き方について詳しく解説します。

 

メール全体とのバランスを取る

ビジネスメールの締めは、メール全体の内容と一致していることが重要です。

本文の内容が軽やかな報告であれば、極度に堅い締めは違和感を生じさせます。

逆に、重要な契約に関する内容であれば、カジュアルすぎる締めは信頼性を損ないます。

メール全体の文体と統一感を保つため、敬語のレベルを本文と合わせ文章の流れを意識し、本文から締めへの移行が自然になるよう心がけましょう。

 

クッション言葉の活用方法

クッション言葉は、相手への配慮を示し、メールの印象を柔らかくする重要な要素です。

特に依頼や断りのメールでは、クッション言葉を適切に使用することで、相手に与える心理的負担を軽減できます。

例えば以下のようなクッション言葉があります。

 

シーン クッション言葉の例 効果
依頼時 お忙しい中恐れ入りますが 相手の状況への配慮を示す
断り時 せっかくのお話ですが 相手の好意への感謝を表現
催促時 何度もお声がけして申し訳ございませんが 催促への謝罪の気持ちを示す

 

季節の挨拶を自然に盛り込む方法

季節の挨拶は、ビジネスメールに温かみを与え、相手との距離を縮める効果があります。

ただし、機械的に挿入するのではなく、メールの内容や相手との関係性に応じて自然に織り込むことを心がけてください。

季節の挨拶を使用する際は、メールを送る時期と実際の季節感がずれないよう注意も必要です。

季節の挨拶は締めの部分で「時節柄、どうぞご自愛ください」「季節の変わり目ですので、お体にお気をつけください」といった形で相手の健康を気遣う表現と組み合わせることで、より効果的になります。

 

相手の行動を促す一文の工夫

ビジネスメールでは、相手に何らかの行動を求める場合が多くあります。

その際、締めの部分で相手の行動を自然に促す工夫をすることで、スムーズなコミュニケーションが実現できます。

緊急性がある場合でも、その理由を明確にした上で丁寧に依頼することが重要です。

また、相手が行動しやすいよう、具体的な指示や選択肢を提示することも有効です。

>ビジネスでの謝罪メールの正しい書き方|状況別の例文とポイントをご紹介

 

シーン別:ビジネスメールの締めの言葉の例文集

ビジネスメールでは、相手や状況に応じて適切な締めの言葉を選ぶことが重要です。

ここでは、具体的なシーン別に使える締めの言葉と例文をご紹介します。

 

お礼・感謝を伝えるとき

感謝の気持ちを込めた締めの言葉は、相手との良好な関係維持に欠かせません。

以下はシーン別の感謝の締め言葉です。

 

シチュエーション 締めの言葉
会議への参加のお礼 本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
資料提供のお礼 迅速にご対応いただき、心より感謝申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。
継続的な協力への感謝 いつも温かいご指導をいただき、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

感謝の気持ちを表す際は、「ありがとうございました」の後に具体的な内容を付け加えることで、より誠意のある印象を与えられます。

>感謝が伝わる!ビジネスでのお礼メールの書き方と状況別例文とポイント

 

お願いや依頼をするとき

依頼メールの締めは、相手に負担をかけることへの配慮を示しつつ、お願いする内容を明確に伝えることが大切です。

一般的な依頼の場合

「お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします」

期限がある依頼の場合

「〇月〇日までにご回答いただければ幸いです。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いいたします」

重要度の高い依頼の場合

「ご多忙中とは存じますが、何卒ご協力のほどお願い申し上げます」

とくによく使用される「恐れ入りますが」というクッション言葉は、謙虚な姿勢を示します。

>【例文あり】お願い・依頼メールの書き方を徹底解説!丁寧な表現のコツや注意点

 

お詫び・謝罪をするとき

謝罪メールの締めは、誠意を示し、今後の改善への意欲を表現することが重要です。

軽微なミスの場合

「この度はご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした。今後このようなことがないよう、十分注意いたします」

重大な問題の場合

「心よりお詫び申し上げますとともに、再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。何かご不明な点がございましたら、いつでもお申し付けください」

遅延や納期に関する謝罪の場合

「お約束の件でご迷惑をおかけし、深くお詫びいたします。一日も早くお届けできるよう努めてまいります」

お詫びや謝罪文は、相手への影響を最小限に抑える配慮も必要です。

>ビジネスでの謝罪メールの正しい書き方|状況別の例文とポイントをご紹介

 

提案・報告・連絡をするとき

情報共有や提案を行う際の締めは、相手の理解を促し、次のアクションを明確にすることが重要です。

提案メールの場合

「ご検討いただき、お気づきの点がございましたらお聞かせください。お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願いいたします」

進捗報告の場合

「引き続き進行状況をご報告いたします。ご不明な点がございましたら、お気軽にお声がけください」

重要な連絡事項の場合

「ご確認のほどよろしくお願いいたします。ご質問等ございましたら、遠慮なくお申し付けください」

>【例文集】上司・目上の人へのメールの書き方|マナーやポイントを徹底解説!

 

断り・辞退をするとき

お断りするメールの締めは、相手の気分を害さないよう最大限の配慮を示しながら、明確に意思を伝える必要があります。

感謝の気持ちとお断りする場合

「せっかくお声がけいただいたにも関わらず、お役に立てず申し訳ございません。またの機会がございましたら、ぜひお声がけください」

スケジュールの都合で断る場合

「あいにく先約があり、お受けできかねます。貴重な機会をいただいたにも関わらず、申し訳ございません」

予算や条件面で合わない場合

「検討いたしましたが、弊社の現状では難しい状況です。ご期待にお応えできず、心苦しく思っております」

 

返信が必要な場合・不要な場合

返信の要不要を明確にすることで、相手の負担を軽減し、効率的なコミュニケーションを実現できます。

返信が必要な場合

「〇月〇日までにご回答いただければと思います。お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします」

返信不要の場合

「なお、本メールへのご返信は不要です。ご確認いただければ幸いです」や「取り急ぎご連絡まで。返信は結構です」

緊急性がある場合

「恐れ入りますが、至急ご確認いただき、お電話にてご連絡をお願いいたします」

相手の手間を省く配慮を示しましょう。

 

相手を気遣うとき(体調・季節の挨拶)

相手の体調や季節に合わせた気遣いの言葉は、人間関係を深める効果があります。相手を気遣うときに使える例文を状況別で表にしました。

 

季節・状況 締めの言葉
梅雨時期 梅雨で体調を崩しやすい時期ですが、どうぞご自愛ください。
猛暑 暑い日が続いておりますが、お体にお気をつけてお過ごしください。
年末の繁忙期 師走でお忙しい毎日かと思いますが、お体を大切になさってください。
新年度 新年度で何かとお忙しいことと存じますが、無理をなさらないでください。

 

自然で押し付けがましくない表現を心がけましょう。

 

初めての相手や目上の人に送る場合

初対面の相手や目上の方へのメールでは、より丁寧で謙虚な表現を選ぶことが重要です。

初回連絡時の場合

「初めてご連絡させていただき、失礼いたしました。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」

紹介を受けた場合

「〇〇様にご紹介いただき、このような機会をいただけましたことを心より感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」

役職の高い方に送る場合

「お忙しい中貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。今後ともご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」

相手への敬意を示しつつ、今後の関係構築への意欲も表現しましょう。

 

社内と社外、上司と部下で使い分けるべき表現

関係性によって適切な敬語レベルを選択することで、円滑なコミュニケーションが可能になります。

社内の同僚や部下の場合

「お疲れさまです。何かご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡ください」

社外の取引先の場合

「いつもお世話になっております。ご不明な点がございましたら、いつでもお申し付けください」

直属の上司の場合

「お忙しい中恐れ入ります。ご確認のほど、よろしくお願いいたします」

相手への敬意を示しつつ、今後の関係構築への意欲も表現しましょう。

>【例文集】上司・目上の人へのメールの書き方|マナーやポイントを徹底解説!

 

一方的にならないようにする配慮ある締め

相手の意見や都合を尊重する姿勢を示すことで、建設的なコミュニケーションを促進できます。

相手のペースを尊重する場合

「こちらからの一方的なお願いで恐縮ですが、ご都合の良いときにご検討いただければと思います」

相手の意見を求める姿勢を示す場合

「私どもの考えをお伝えいたしましたが、○○様のご意見もぜひお聞かせください」

柔軟性を示す場合

「もしご不都合な点がございましたら、遠慮なくお申し付けください。調整させていただきます」

 

長文になった際のスマートな締め方

長いメールでは、要点を整理し、相手の負担を軽減する配慮があるとスマートです。

長文への謝罪と質問受付の姿勢を示す場合

「長文となり失礼いたしました。ご質問等ございましたら、お気軽にお申し付けください」

相手の理解を手助けする要点まとめの場合

「詳細をお伝えしたく長くなってしまいましたが、要点は以下の通りです」

読了への感謝を示す場合

「お忙しい中、最後までお読みいただきありがとうございました。ご不明な点がございましたら、いつでもお声がけください」といった、表現も効果的です。

 

ビジネスメールのNGな締めの言葉は?

ビジネスメールの締めで使ってはいけない表現を知ることは、適切な締めを選ぶのと同じくらい重要です。

不適切な締めの言葉を使うと、相手に失礼な印象を与えたり、社会経験不足な印象を持たれる可能性があります。

 

カジュアルすぎる表現

プライベートでは使える表現でも、ビジネスシーンでは不適切とされる締めの言葉があります。

「お疲れさま」は社内では一般的ですが、社外の相手に使うのは避けるべきです。特に初対面の相手や取引先には使わないようにしましょう。

「では、また」「それでは」といった簡潔すぎる締めも、ビジネスメールには適していません。

これらの表現は相手との距離感が近い場合の会話で使われるものであり、メールでは丁寧さに欠ける印象を与えます。

 

敬語の誤用による不適切な表現

敬語を間違って使った締めの言葉も気をつけましょう。

「ご苦労様でした」は目上の人が目下の人に使う言葉であり、部下が上司に使うのは失礼にあたります。

代わりに「お疲れ様でした」を使うのが適切です。

「了解しました」も対等な関係で使われる表現であるため、目上の人に対しては「承知いたしました」「かしこまりました」を使いましょう。

 

不適切な敬語の重複

丁寧にしようとするあまり、敬語を重複させた不自然な表現にも注意が必要です。

「お忙しい中恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」という文章で、さらに「何卒」を重ねて使うと過剰な印象を与えます。

「させていただく」の多用も同様で「確認させていただきます」「検討させていただきます」を一つのメールで何度も使うと、かえって不自然で読みにくい文章になってしまいます。

>ビジネスで使われる敬語の使い方・表現一覧をご紹介!(尊敬語、謙譲語、丁寧語)

 

ネガティブな印象を与える表現

ビジネスメールの締めでは、相手にネガティブな印象を与える可能性のある表現は避けるべきです。

「お手数をおかけしますが」「ご面倒をおかけしますが」といった表現を多用すると、相手に負担感を与えてしまいます。

「急いでいるので」「至急で」といった催促を強調する表現も、締めの部分では避けた方が無難です。

催促表現は相手にプレッシャーを与え、関係を損なう可能性があります。

 

曖昧で具体性に欠ける表現

「何かございましたら」「何かありましたら」といった曖昧な表現も、ビジネスメールの締めとしては不適切です。

これらの表現は具体性に欠け、相手がどのような場合に連絡すべきか分からなくなってしまいます。

「適宜対応お願いします」のような抽象的な依頼も避けるべきです。

ビジネスメールでは明確で具体的な指示や依頼を心がけ、相手が迷わずに行動できるような締めを選ぶことが重要です。

 

業界や職種による注意点

業界や職種によっては、一般的には問題ない表現でも不適切とされる場合があります。

金融業界では特に保守的な表現が求められ、IT業界では比較的カジュアルな表現も受け入れられる傾向にあります。

医療業界では患者や関係者への配慮が重要であり、教育業界では学習者や保護者に対する丁寧さが特に重視されます。

自身が所属する業界の慣習や文化を理解し、それに適した締めの表現を選ぶことが大切です。

>業種と職種の意味・違いを徹底解説!分類一覧や自分に合う業種とは?

 

文脈に合わない締めの表現

メールの内容と締めの表現が一致していない場合も、相手に違和感を与えます。

謝罪のメールで「今後ともよろしくお願いいたします」という前向きな締めを使うのは適切ではありません。

また、緊急性の高い連絡で「お時間のあるときにご確認ください」という締めを使うのも矛盾があります。

メールの目的や内容に応じて、適切な緊急度や期待感を表現する締めを選ぶことが重要です。

>メールで使う「各位」の意味と正しい使い方|注意点と例文も解説

 

英語の場合の締めの言葉は?

英語のビジネスメールでも、締めの言葉は相手に与える印象を大きく左右するため、適切な表現を選ぶことが重要です。

英語のビジネスメールでは、締めの言葉を「Complimentary Close」と呼び、メール本文の最後に相手への敬意や今後の関係継続を示す表現を使用します。

これは日本語の「よろしくお願いいたします」のような役割を果たしますが、英語圏のビジネス文化に合わせた表現を選ぶ必要があります。

日本語のビジネスメールと同様に、相手との関係性や状況に応じて使い分ける必要があります。

 

よく使う英語の締めの定型句

英語のビジネスメールで頻繁に使用される締めの表現には、フォーマル度に応じていくつかのパターンがあります。

最もフォーマルなものから順に使い分けることで、相手に適切な印象を与えることができます。

 

フォーマル度 締めの表現 使用場面 日本語での意味
非常にフォーマル Respectfully yours 政府機関、法的文書 敬具
フォーマル Sincerely 初回連絡、重要な取引先 心より
フォーマル Yours sincerely 名前を知っている相手 敬具
セミフォーマル Best regards 一般的なビジネス よろしく
セミフォーマル Kind regards 温かい関係の取引先 よろしくお願いします
カジュアル Best 親しい同僚 では

 

最も汎用性が高く、多くのビジネスシーンで使える表現は「Best regards」です。

一方、「Sincerely」は格式の高い場面や重要な契約に関するメールで使用されることが多く、「Best」は社内の親しい同僚とのやり取りで使用される傾向があります。

 

日本語とのニュアンスの違いに注意

英語のビジネスメールの締めを書く際は、日本語の感覚をそのまま英語に置き換えてしまうと、不自然な表現になってしまうことがあります。

特に注意すべきは、日本語特有の謙譲語や尊敬語のニュアンスを英語で表現しようとすることです。

日本語では「お忙しい中恐れ入りますが」や「ご多忙の折」といった相手への配慮を示す表現が頻繁に使われますが、英語圏のビジネス文化では、このような回りくどい表現は好まれません。

代わりに、「I understand you are busy」程度の簡潔な表現で十分相手への配慮を示すことができます。

>英語履歴書の書き方をサンプル(見本)と共に解説!英文レジュメの基本ルールと英語表現例文

 

よくある質問(Q&A)

Q. 締めの言葉がないと失礼?

ビジネスメールにおいて締めの言葉がないことは、必ずしも失礼にあたるわけではありませんが、相手に与える印象は大きく変わります。

締めの言葉があることで、メール全体がより丁寧で完結した印象になり、送信者の配慮が伝わります。

特に初回のやり取りや重要な案件、目上の方とのコミュニケーションでは、締めの言葉を省略することは避けるべきです。

 

Q. 目上の人へのメールではどの締め言葉が正しい?

目上の方へのメールでは、最も安全で適切な表現は「何卒よろしくお願い申し上げます」や「ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」です。

また、相手の立場や状況に応じて「お忙しい中恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」といった配慮の言葉を添えることも効果的です。

 

Q.「ご自愛ください」はどういうときに使う?

「ご自愛ください」は相手の健康や体調を気遣う表現として使用され、特に季節の変わり目や忙しい時期、体調を崩しやすい時季に効果的です。

使用に適したタイミングは、相手が多忙であることを知っている場合、長期間連絡が途絶えていた場合、季節の挨拶を含めたい場合などです。

ただし、頻繁に使いすぎると形式的な印象を与える可能性があるため、相手との関係性や状況を考慮して適度に使用することが大切です。

 

Q. お礼メールに最適な締め言葉は?

お礼メールの締め言葉は、表現として「改めて心より御礼申し上げます」「重ねてお礼申し上げます」が効果的です。

相手への負担を考慮した配慮も示すことで、より印象の良い締めとなります。

 

Q. 締めの後の署名はどうするのが正しい?

締めの言葉の後の署名は、ビジネスメールにおける重要な要素で、名刺と同様の役割を果たします。

署名には会社名、部署名、氏名、連絡先情報を含めることが基本です。

一般的な記載の順番は、会社名、部署名、役職名、氏名、郵便番号・住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス、ウェブサイトURLです。

各項目間には適切な改行を入れ、読みやすさを重視します。

 

まとめ

ビジネスメールの締めの言葉は、相手に与える最後の印象を決める重要な要素になります。

相手の立場や関係性、メールの目的に応じて適切な表現を選ぶことで、好印象を与え、円滑なコミュニケーションを実現できます。

定番フレーズから丁寧な敬語表現まで幅広く使い分け、クッション言葉や季節の挨拶を効果的に活用することで、より好印象なメールを作成できます。

NGな表現を避け、メール全体のバランスを考慮した締めの言葉を心がけることで、信頼関係の構築につながるでしょう。

 

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監修者:島伸明

株式会社Yagishの取締役CMO。履歴書作成サービス「Yagish(ヤギッシュ)」の成長を牽引し、2024年には800万UUを突破、会員登録者数160万人を達成するなど、日本のキャリア支援市場で高い実績を誇る。大手企業での新規事業・海外事業に加え、複数の企業で取締役を歴任。事業企画、EC、エンタメ、ゲーム開発、マーケティング、コンサルティングと多岐にわたる分野で豊富な経験を持ち、キャリア形成に深い知見を持つ。