2025.03.03
履歴書の健康状態欄の例文と書き方!既往歴も書く?欄がない場合は?

「履歴書の健康状態欄って何を書くの?」
「なんで履歴書に健康状態を書くの?」
など色々と悩む人は多いのではないでしょうか?
これは、就活や転職時に悩む方が多いポイントです。
・「良好」と書けば良い?
・通院中の場合や持病がある場合は?
・履歴書に健康状態欄が無い場合は?
・面接での対応は?
企業が健康状態欄で実際に何を知りたいのか、持病を隠した場合のリスク、面接での質問への回答例まで網羅しています。
正直に書くべき場合と配慮が必要な場合の判断基準も明確にし、あなたの就職活動をサポートします。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
履歴書の健康状態欄の書き方と例文
健康状態欄の記入方法について、具体的な例文とともにここで解説します。
健康状態欄は採用担当者があなたの健康面から仕事への影響を判断する重要な項目なので、適切な記入が求められます。
健康状態欄は空欄にしない
健康状態欄は必ず記入しましょう。空欄のままにすると、「隠したいことがある」「記入漏れで書類作成が雑」などネガティブな印象を与えてしまいます。どんな状態であっても、誠実に記載することが重要です。
空欄にする代わりに「特になし」と記入するケースもありますが、これも避けたほうが無難です。健康状態について何も記載がないと、採用担当者に不安を与えかねません。
基本の書き方は、「良好」
特に健康面で問題がない場合は、シンプルに「良好」と記入するのが一般的です。これが最もスタンダードな書き方であり、多くの応募者がこの表現を使用しています。
より具体的に自分の健康状態の良さをアピールしたいと思い、「健康に自信があります」「健康管理に気を付けています」などの表現を使うことを考える人もいますが、基本的には「良好」で十分です。過度な健康アピールは不自然に映ります。
仕事に問題がない程度の病気等の場合
軽度の近視や花粉症など、仕事に支障がないレベルの症状がある場合も、基本的には「良好」と記入して問題ありません。
・軽度の近視
・春季に花粉症の症状が出る
・腰痛がある(がそこまで酷いわけではない)
これらのような症状は現代社会では一般的であり、多くの企業では問題視されませんので、良好だけで大丈夫です。
完全完治している過去の病気等
過去に大きな病気や怪我を経験したものの、現在は完全に完治している場合も「良好」と記入して構いません。特に子どもの頃の病気や、何年も前に完治した病気については、わざわざ記載する必要はありません。
・10年前に骨折の経験がありますが、完治している
・20歳時に急性虫垂炎の手術を受けましたが、現在は全く問題ない
こういった場合も良好と書きます。
うつ病など精神疾患の場合
精神疾患については、社会的な理解が進んできているものの、まだ偏見が残っている部分もあります。
こちらはあえて病名を書かないことを検討しても良い例の一つとなります。
例:
・良好(普段の業務に支障はきたしませんが、月1回ほど、通院のために半休の取得を希望します。)
精神疾患については、面接時により詳しく説明する機会を得られるよう、履歴書には簡潔に記載し、詳細は面接で伝える方法も検討できます。
通院や病気・怪我により仕事に支障がある場合の書き方と例文
現在治療中の病気や怪我がある場合、特に業務に影響がある可能性があるときは、正直に記載することが重要です。隠して採用された後に問題が発覚すると、信頼関係が崩れる可能性があります。
怪我や病気で通院が必要な場合の書き方例
定期的な通院が必要な状態であれば、その頻度と業務への影響について簡潔に記載しましょう。通院のために定期的に休暇が必要な場合は、その旨も伝えておくことが誠実です。
書き方の例
・良好(普段の業務に支障はきたしませんが、月に1回、水曜日午後に腰痛のためリハビリ通院が必要となります。)
・良好(糖尿病の治療のため3ヶ月に一度の通院が必要ですが、日常生活・業務に支障はありません。)
・良好(普段の業務に支障はきたしませんが、月1回ほど、通院のために半休の取得を希望します。)(このように、必ずしも病名を書かなくても良い場合もあります。)
怪我や病気で一定の仕事ができないなどの場合
特定の業務に制限がある場合は、具体的にどのような制限があるのかを記載しましょう。同時に、できる仕事についても前向きに記載すると好印象です。
例:
・腰椎ヘルニアのため、長時間の立ち仕事や重量物の持ち上げは制限がありますが、デスクワークなど他の業務は問題なく行えます。
・右手首を怪我しており、現在リハビリ中です。キーボード入力などには制限がありますが、2ヶ月程度で回復する見込みです。
通院するが、仕事に支障がない場合
定期的な通院が必要でも、休みの日に行けるような場合は、その旨を書きます。
例:
「持病の定期検査のため2ヶ月に1回土曜日に通院していますが、体調は安定しており業務に影響はありません」
健康状態欄の記入は、自分の状況を正直に伝えつつも、業務遂行能力をアピールするバランスが重要です。隠し事をせず、しかし必要以上に詳細に記載せず、適切な情報開示を心がけましょう。
企業が履歴書の健康状態欄で知りたいこと
企業は採用活動において、応募者の健康状態を確認する理由があります。健康状態欄は単なる形式ではなく、採用判断における重要な情報源となっています。ここでは、企業が履歴書の健康状態欄から何を読み取ろうとしているのかについて解説します。
企業側が健康状態を確認する主な目的は、採用後に業務を遂行できるかどうかの見極めです。採用後に長期療養が必要になったり、特定の業務ができないことが判明すると、企業側も応募者側も不利益を被ることになります。
健康状態欄は、企業が応募者の「働きやすさ」や「継続的に勤務できるか」を判断する材料となります。ただし、これは差別的な意図ではなく、適切な配置や必要なサポートを検討するためでもあります。
特に肉体労働や特殊な環境での勤務(高所作業、極端な温度環境など)が必要な職種では、健康状態は採用判断の重要な要素となります。一方で、事務職や在宅勤務が可能な職種では、健康状態の影響は比較的小さいケースもあります。
採用担当者が見る部分とは?
採用担当者は健康状態欄を見る際、主に以下の点に注目しています。
1. 業務遂行能力への影響
まず最も重視されるのは、健康状態が業務遂行に与える影響です。たとえば、営業職であれば外回りの移動に支障がないか、工場勤務であれば機械操作に問題がないかなどが焦点となります。「良好」と書かれていれば、業務に支障がないと判断されます。
2. 長期的な勤務の可能性
企業は採用した社員が長期的に活躍することを期待しています。定期的な通院が必要な状態など、長期的な勤務に影響しそうな情報に注目します。ただし、通院していても業務に支障がない場合は、適切に説明することで問題ないケースが多いです。
3. 企業側のサポート必要性
健康上の理由で特別な配慮が必要かどうかも見ています。例えば、「軽度の腰痛があるため、長時間の立ち仕事は避けたい」といった情報があれば、企業側は適切な配置を検討できます。このようなケースでは、むしろ正直に伝えておくことが後々のトラブル防止につながります。
4. リスク管理
採用後に突然健康問題が発覚するリスクを避けるため、健康状態欄の記載内容と面接での受け答えの一貫性を確認することもあります。特に、業務に大きく影響する可能性のある健康状態については、採用担当者は慎重に確認します。
近年の採用活動の動向と履歴書の健康状態の関係
企業によっては、法的観点から健康状態に関する質問を最小限に抑えているケースも増えています。これは障害者差別解消法や個人情報保護の観点から、必要以上の健康情報を収集することを避ける傾向があるためです。
健康状態欄の記載内容は、面接でさらに詳しく聞かれることもあります。特に「通院中」や「治療中」といった記載がある場合は、その状況や業務への影響について質問されることを想定しておくと良いでしょう。
最終的に、企業が健康状態欄から知りたいのは「その人が職場で活躍できるか」という点です。単に健康であるかどうかではなく、その職種・職場環境において期待される役割を果たせるかどうかが重要なのです。
履歴書に健康状態欄がない場合の対応
最近の履歴書テンプレートでは、健康状態欄がないものが増えています。「健康状態を書く欄がないけれど、どうすればいいの?」と疑問に思っている方も多いでしょう。
健康状態欄がない理由
2004年に改定された最新の規格の履歴書様式では、健康状態の記入欄が削除されました。
これは個人情報保護や就職差別防止の観点から行われた変更です。健康状態は本来、採用の判断材料とすべきではないという考え方が広がっています。
また、厚生労働省が推進する「公正な採用選考」の方針にも合致しており、応募者の適性や能力に関係のない事項で採用を判断することは避けるべきという考え方が浸透してきたことも背景にあります。
現在市販されている履歴書の多くは、この新しいJIS規格に準拠しており、健康状態欄が省略されているものが主流となってきています。
さらに、オンライン履歴書や履歴書作成アプリなどのデジタルツールでも、健康状態欄がないフォーマットが採用されることが多くなっています。
健康状態欄がない履歴書での対応方法
健康状態欄がない履歴書を使用する場合、基本的には何も記入する必要はありません。採用側も健康状態欄がない履歴書を用意している場合は、健康状態について書面での申告を求めていないと考えられます。
健康状態欄がないJIS規格履歴書の使用がおすすめ
就職活動をするにあたり、どの履歴書を使うべきか迷ったら、JIS規格に準拠した健康状態欄のない履歴書を選ぶことをおすすめします。これは最新の採用慣行に合致しており、多くの企業で受け入れられています。
JIS規格履歴書は、コンビニエンスストアや文房具店で「新JIS規格」などと表記されたものを探すことができます。また、履歴書作成アプリやオンラインテンプレートでも同様のフォーマットが提供されています。
企業側から特定のフォーマットの指定がある場合は、その指示に従うべきですが、特に指定がなければ、健康状態欄のないJIS規格履歴書を使用することが現代の就職活動における標準的な選択といえるでしょう。
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履歴書の健康状態に関するよくある質問
履歴書の健康状態欄についての疑問や不安を抱える方は多いでしょう。ここでは、就職活動中によく寄せられる健康状態に関する質問に詳しくお答えします。
持病を隠して採用された場合どうなる?
持病を隠して採用された場合、後々問題となるケースがあります。特に業務に支障をきたす可能性がある持病を故意に隠した場合は、信頼関係の破綻や最悪の場合は解雇理由となることもあります。
具体的には以下のようなリスクがあります。
- 会社からの信頼を失う
- 業務上で実際に問題が生じた場合の責任問題
- 採用時の「重要事項の故意の隠蔽」として解雇事由となる可能性
- 労災や健康保険の適用で問題が生じる場合がある
ただし、全ての持病を申告する義務はありません。業務に影響がない軽度の持病や完全にコントロールされている慢性疾患などは、必ずしも申告する必要はないと考えられています。重要なのは、「業務に支障をきたす可能性がある健康状態」を正直に伝えることです。
また、健康状態を理由に不当な差別を受けることのないよう、厚生労働省や各種法律で保護される権利もあります。自分の状況に不安がある場合は、ハローワークや労働局などの公的機関に相談することも検討しましょう。
既往歴は履歴書の健康状態欄に書くべき?
既往歴を履歴書の健康状態欄に書くべきかどうかは、その病気や怪我が現在の健康状態や業務遂行能力に影響するかどうかによります。
書く必要がある既往歴の例
- 業務内容によって悪化する可能性がある症状
- 特定の作業が制限される身体的状況
書く必要がない既往歴の例:
- 完全に完治している過去の病気や怪我
- 子どもの頃にかかった一般的な感染症(水疱瘡、おたふくかぜなど)
- 日常生活や仕事に全く影響のない軽微な症状
記載の仕方としては、詳細な病名よりも「〇〇の治療のため月1回通院中(業務に支障なし)」など、業務への影響度を中心に簡潔に書くことがポイントです。不安な場合は応募先の採用担当者に事前に相談するか、面接時に詳しく説明する方法もあります。
面接で健康状態について聞かれたら?
面接で健康状態について質問された場合、以下のポイントを押さえて対応するとよいでしょう。
基本的な回答の仕方
まず、一般的な健康状態を簡潔に伝えましょう。特に問題がなければ「健康状態は良好です」と答えるのが基本です。実際に健康に関する特別な配慮が必要ない場合は、これ以上の説明は不要です。
もし何らかの健康上の配慮が必要な場合は、以下のような伝え方が効果的です:
- 業務への影響を中心に説明する
- 自己管理の方法や対策についても触れる
- 前向きな姿勢を示す
例文:「持病はありますが、定期的な通院と投薬で安定しており、これまでの職場でも問題なく勤務してきました。必要な自己管理はしっかり行っています」
不適切な質問への対応
面接官の質問が業務に関係のないプライベートな健康情報に踏み込んでいると感じる場合は、丁寧に質問の意図を確認するとよいでしょう。
例えば「その質問は業務遂行に関連して何か懸念点があってのことでしょうか?」と尋ね、業務上の懸念点があれば、それに対する自分の対応策を説明するという流れが自然です。
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まとめ
履歴書の健康状態欄は、基本的には「良好」と記入するのが一般的です。ただし、仕事に支障をきたす可能性がある場合は、正直に記載することが大切です。企業側は応募者の業務遂行能力を判断するために健康状態を確認しているため、隠し事をして後でトラブルになるよりも、誠実に対応しましょう。
最近のJIS規格の履歴書では健康状態欄が省略されている場合も多く、その場合は特に記入する必要はありません。面接で健康状態について質問された際も、業務に関連する範囲で正直に答えるのがベストです。完治した病歴や業務に影響のない軽度の持病については、必ずしも申告する必要はありません。重要なのは、自分の健康状態と応募する仕事の内容をよく考慮した上で、適切な情報開示を行うことです。健康上の理由で配慮が必要な場合は、入社後のミスマッチを防ぐためにも事前に相談することをおすすめします。
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監修者:島伸明
株式会社Yagishの取締役CMO。履歴書作成サービス「Yagish(ヤギッシュ)」の成長を牽引し、2024年には800万UUを突破、会員登録者数160万人を達成するなど、日本のキャリア支援市場で高い実績を誇る。大手企業での新規事業・海外事業に加え、複数の企業で取締役を歴任。事業企画、EC、エンタメ、ゲーム開発、マーケティング、コンサルティングと多岐にわたる分野で豊富な経験を持ち、キャリア形成に深い知見を持つ。