2022.12.26

「日本教育の“歪み”をなくす!」が起業の原点【後編】(株式会社ヴィリング:中村 一彰)③

『つくる』をベースに、子どもの興味関心に合わせてその都度深掘りができる

 

Yagish 柏崎「ヴィリングさんの事業はSTEM教育と探求学習が特徴的だと思いますが、なぜそれを事業化しようと思ったんでしょうか?」

 

ヴィリング 中村 一彰「教育事業をすると決めてからは、1年ほどかけて国内、シンガポール、北米などの教育現場を視察しました。そこで出会ったのが、現在ヴィリングでコア事業として据えているSTEM教育探求学習でした。」

 

Yagish 柏崎「STEM教育って、そもそもどんな教育モデルなんですか?」

 

ヴィリング 中村 一彰Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を総称したものです。私たちが提供する『STEMON(ステモン)』は、これら4つの教科にArt(アート)を加えたSTEAM教育をベースに『教科を横断的に学び、既存の学習にとらわれず、アウトプット中心に仲間とプロジェクトに取り組む新しい教育方法』と定義しています。」

 

『STEMON』公式サイトより

 

ヴィリング 中村 一彰「日本の子どもたちにこの教育が必要だと感じた一番の理由は、『つくる』をベースに、子どもの興味関心に合わせてその都度深掘りができること。学校教育はインプット中心かつカリキュラムがガチガチに組まれているので、子どもが立ち止まってアウトプットするような余白がないんです。」

 

Yagish 柏崎「それって、教育実習の経験があってこその気づきなんですかね?」

 

ヴィリング 中村 一彰「そうかもしれません。教育実習では小学5年生のクラスを担当したのですが『これは自分には教えられないな』と痛感した授業があって。道徳の『手品師』という教材文です。そのあらすじをお話しすると……」

 

主人公は、売れない手品師。毎週公園で子どもたちに手品を披露している。
ある日、いつものように公園でマジックをしていたところに、たまたまあるプロデューサーが通りかかった。
彼は事故でイベント出演できなくなったマジシャンの代役を探していた。
マジックの腕を見たプロデューサーは、即座に手品師に出演のオファーをする。
しかし、そのイベント開催日は、子どもたちに「来週また来るね」と約束した日時と一緒だった。
手品師はさんざん悩んだ挙句、子どもたちとの約束を守ることにする。

 

ヴィリング 中村 一彰「『先にした約束を守る』清々しさを教える内容だったのですが、この話を教師として推奨することに違和感を覚えてしまって。後から聞いた話だと『手品師』は、今でも物議を醸している教材文のようで、僕はたまたま当たっちゃったみたいなんですが。」

 

ヴィリング 中村 一彰「教師が、文科省が決めたことを伝えていく媒介みたいな立ち位置だと、教材に違和感をあったときに苦しいだろうと思ったので、新卒時は民間企業に就職したんです。」

 

Yagish 柏崎「決まりきったカリキュラムに当てはめるのではなく、先生も子どもも自由に教え、学べる場が必要だと。」

 

ヴィリング 中村 一彰「おっしゃる通りです。さらに、STEAM教育に関して言うと、理数ITが含まれている点も強みだと感じましたね。繰り返しになりますが、AI時代に突入しようとしているのに、日本は未だに工業社会向けの教育モデルを推進しているので。」

 

(中村さん著書の本です。amazonでも買えるので、ご興味ある方はどうぞ!)

 

ヴィリング 中村 一彰「国が担えない領域を、民間が補う形が最も理想的だとも思いました。こうした観点から、STEAM教育と探求学習は日本の子どもたちにも必要なものだし、絶対広めていかねばならないという使命のようなものを感じたんです。」

 

Yagish 柏崎「(使命……日常生活ではなかなか聞かない言葉ですね。)」

 

ヴィリング 中村 一彰「このような経緯から、2012年にヴィリング社を立ち上げ、STEAM教育スクール『STEMON』をスタートしました。」

 

(『STEMON』は2022年11月現在、フランチャイズも併せて全国に120校を展開)

 

 

 

 

⇩日本教育の歪み!?話の続きはこちら⇩

子どもが「楽しく学べる」状態をいかにキープできるか?(前編)

 

 

 

 

株式会社ヴィリング 会社概要

代表者:代表取締役 中村一彰
事業内容
キッズ向け教育サービス
1.アフタースクール(民間学童保育)
2.プログラミング&エンジニアリング/STEAM教育スクール

ヴィリングってどんな会社?

成熟した日本社会のこれからを、自立して自由にイキイキと生きていくための環境づくりを、実践と模索を繰り返しながら疾走している教育ベンチャーです。

 

⇩ヴィリングの社長の頭の中⇩



 

 

⇩日本教育の歪み!?話の続きはこちら⇩

子どもが「楽しく学べる」状態をいかにキープできるか?(前編)

 

柏崎 宏洋

「社長の流儀」プロデューサー

株式会社Yagishの中の人のうちの一人。 2022年7月~企画マーケティング部所属。 「社長の流儀」コンテンツの総プロデューサーをしてます。その他、大学×Yagishの公式パートナーシップ契約締結準備、Yagishの採用担当、新規事業設計、その他色んなことを社長からやらされ、、、ではなく、喜んで対応中。