既卒とは?いつまでを指す?第二新卒・フリーター・新卒との違いを解説
最終更新日:2026/09/14
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既卒とは、学校を卒業したあと、一度も正社員として働いた経験がない求職者のことです。何年目までを既卒と呼ぶかに法律上の決まりはありませんが、厚生労働省の指針で卒業後3年以内は新卒枠に応募できるため、実務上は「卒業後3年以内」を指すことがほとんどです。
この記事では、既卒・第二新卒・フリーター・新卒の違いを比較表で整理したうえで、「既卒の就活は不利」と言われる実態を公的統計で確認します。実際には、新卒採用枠で既卒者の応募を受け付けた事業所は71%にのぼります。
この記事の結論
- 既卒=卒業後に正社員経験がない人。目安は卒業後3年以内
- 第二新卒との違いは「正社員経験があるかどうか」の一点
- 卒業後3年以内の既卒者は新卒枠に応募できる(厚生労働省の指針)
- 新卒採用枠で既卒者を「応募可能」とした事業所は71%、うち43%が実際に採用
- 既卒者の内定保有率は49.3%で、前年から14.5ポイント上昇
既卒とは?卒業後に正社員として働いた経験がない求職者のこと

既卒とは、大学・大学院・短大・専門学校・高校などの学校を卒業したあと、一度も正社員として就職した経験がない求職者を指す言葉です。卒業後にアルバイトや契約社員として働いている人、就職せずに資格試験の勉強をしている人などが該当します。
在学中に就職活動を行う新卒とは違い、卒業してから就職を目指す点が特徴です。求人票では「既卒可」「卒業後3年以内応募可」といった表記で扱われます。
既卒はいつまで?目安は「卒業後3年以内」
既卒に法律上の定義はなく、「卒業後◯年まで」という明確な線引きはありません。ただし実務上は、卒業後3年以内を指すのが一般的です。
これは、厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」で、卒業後3年以内の既卒者について新卒枠での応募受付を企業に求めていることが背景にあります。多くの企業が「卒業後3年以内」を応募条件の基準にしているため、この期間が事実上の目安になっています。
卒業から4〜5年以上が経つと、新卒枠の対象から外れて中途採用枠での応募が中心になります。就職活動の進め方も変わるため、卒業からの年数は早めに確認しておきましょう。新卒採用のスケジュールそのものについては新卒採用はいつから?スケジュールと早期化の実態で解説しています。
既卒に年齢制限はある?
既卒であること自体に年齢制限はありません。労働施策総合推進法により、企業が募集・採用で年齢を制限することは原則として禁止されています。
ただし例外があり、「長期勤続によるキャリア形成を図る」という目的であれば、若年者に限定した募集が認められています。新卒枠の求人に年齢の上限が設けられているのは、この例外にあたるためです。求人ごとに条件が異なるので、応募要項を必ず確認してください。
【比較表】既卒・第二新卒・フリーター・新卒の違い

既卒と混同されやすい言葉に「第二新卒」「フリーター」「新卒」があります。意味が似ているようで、就職活動での扱いも応募できる枠も変わります。まず全体像を表で整理します。
| 区分 | 正社員経験 | 応募できる枠 |
|---|---|---|
| 新卒在学中〜卒業年度 | なし | 新卒枠 |
| 既卒卒業後(目安3年以内) | なし | 新卒枠 +中途枠 |
| 第二新卒卒業後3年以内 | あり | 中途枠 |
| フリーター期間は問わない | なし | 中途枠 |
4つを分ける軸は2つだけです。①正社員として働いた経験があるか、②卒業してから何年経っているか。この2つで自分がどこに当てはまるかが決まります。

「第二新卒」との違いは正社員経験の有無
既卒と第二新卒を分ける決定的な違いは、正社員としての就業経験があるかどうかです。第二新卒は、卒業後に一度正社員として就職し、おおむね3年以内に離職した若手を指します。
第二新卒は基本的なビジネスマナーや社会人経験が身についているとみなされるため、中途採用枠で「即戦力に近い若手」として評価されます。一方の既卒は正社員経験がないぶん、ポテンシャルや学習意欲が重視される傾向があります。
第二新卒について詳しくは第二新卒と既卒の違いとは?定義やメリット、第二新卒とは?入社3年経った人も含まれるのかで解説しています。第二新卒の就職活動の進め方は第二新卒の就活は厳しい?売り手市場を勝ち抜くコツをご覧ください。
「フリーター」との違いは正社員就職を目指しているか
フリーターは、アルバイトやパートなどの非正規雇用で生計を立てている人を指す言葉です。正社員就職を目指しているかどうかは問いません。
対して既卒は、正社員としての就職を目指しているという点が前提になります。つまり両者は排他的な関係ではなく、アルバイトをしながら就職活動をしている人は、フリーターであり既卒でもあります。卒業からの年数が浅いうちは「既卒」として新卒枠にも応募できるため、自分を既卒と位置づけて動くほうが選択肢は広がります。
アルバイトから正社員を目指す進め方は25歳フリーターから正社員へ。就職はまだ間に合う理由と成功の手順で詳しく紹介しています。
「新卒」扱いになる?卒業後3年以内は新卒枠に応募できる
厚生労働省の「青少年雇用機会確保指針」により、卒業後3年以内の既卒者については新卒枠での応募を受け付けるよう、企業に働きかけがなされています。これを受けて、新卒採用の対象を既卒者にも広げる企業が増えました。
ただしこれは努力義務であり、すべての企業が対応しているわけではありません。次の章で見るとおり、実際に受け付けている事業所は7割程度です。応募前に募集要項の確認が必要です。
「既卒の就活は不利」は本当?公的統計で見る実態

「既卒は就職が難しい」というイメージを持つ人は少なくありません。ただし、実際の統計を見ると状況は変わってきています。まず、企業がどれだけ既卒者を受け入れているかを確認します。
| 令和6年度 新規学卒者の採用枠における既卒者の扱い | 事業所の割合 |
|---|---|
| 既卒者が「応募可能だった」 | 71% |
| そのうち、既卒者の「採用にいたった」 | 43% |
新卒採用枠で正社員を募集した事業所のうち、7割が既卒者の応募を受け付け、そのうち4割が実際に採用しています。「新卒枠だから既卒は応募できない」という思い込みは、実態と合っていません。
出典:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年8月)」(令和7年8月1日現在・調査産業計)
既卒の就職が難しいと言われる3つの理由
それでも「不利」と言われるのは、企業側に次の3つの見方があるためです。
1つ目は、「なぜ新卒で就職しなかったのか」という懸念です。計画性や働く意欲に疑問を持たれる可能性があります。2つ目は、社会人としての基礎スキルやビジネスマナーが不足しているとみなされやすいこと。研修を前提とする新卒と比べ、企業が育成コストを意識します。3つ目は、同年代の第二新卒と比較されたときに実務経験がない点です。
いずれも「既卒だから落ちる」という話ではなく、説明の準備ができていないと不利になるという性質のものです。対策は後半の面接の章で解説します。
データで見ると、既卒の採用環境は改善している
マイナビの調査では、既卒者の内定保有率は次のように推移しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 既卒者の内定保有率 | 49.3% |
| 前年からの変化 | +14.5pt |
| 卒業後に就職活動を増やした人の内定率 | 51.5% |
| 卒業後に就職活動を減らした人の内定率 | 38.1% |
内定保有率は前年から14.5ポイント上昇しました。あわせて注目したいのが下2行で、卒業後に活動量を増やした人と減らした人では、内定率に13.4ポイントの差がついています。既卒かどうかより、卒業後にどう動いたかが結果を左右しているということです。
出典:マイナビキャリアリサーチLab「2024年度 既卒者の就職活動に関する調査」(調査期間:2024年9月13日〜27日/有効回答235名)
人手不足を背景に、新卒や経験者だけでは人材を確保できない企業が増えていることも追い風です。既卒者は年齢が若く、自社の文化に合わせて育成しやすいという点が評価されています。就職活動の具体的な進め方は既卒の就活は厳しい?内定を成功させるやり方で詳しく解説しています。
既卒の就職活動を成功させる5つのステップ

既卒の就職活動は、新卒のような一斉スケジュールがないぶん、自分で段取りを決める必要があります。押さえるべき流れは次の5つです。
| ステップ | やること |
|---|---|
| 1 | 自己分析強みと価値観、目指したい働き方を言語化する |
| 2 | 「既卒になった理由」の整理空白期間に何をして、何を得たのかを筋道立てて説明できる状態にする |
| 3 | 業界・企業研究新卒時より視野を広げ、既卒可の求人が多い業界も候補に入れる |
| 4 | 応募書類の準備アルバイト経験も、身についたスキルとあわせて書く |
| 5 | 面接練習既卒理由と志望動機は、声に出して繰り返し練習する |

特に重要なのがステップ2です。前章のデータのとおり、卒業後に活動量を増やせるかどうかが内定率を大きく分けます。空白期間は「何もしていなかった期間」ではなく「何をしていた期間」として語れるかどうかが分かれ目になります。
応募書類の書き方は職歴・学歴の正しい書き方、各ステップの詳しい進め方は既卒の就活は厳しい?内定を成功させるやり方とおすすめエージェントをご覧ください。
求人はどこで探す?既卒におすすめの4つの方法

| 探し方 | 向いている人 |
|---|---|
| 新卒向け就活サイト「既卒可」「卒業後3年以内」で絞り込む | 卒業から3年以内で、新卒枠を狙いたい人 |
| 転職サイト「未経験者歓迎」「職務経験不問」で探す | 通年で自分のペースで進めたい人 |
| 既卒・第二新卒専門のエージェント書類添削から面接対策まで個別に支援 | 一人で進めるのが不安な人、非公開求人も見たい人 |
| ハローワーク地域の中小企業の求人が中心・相談は無料 | 地元で働きたい人、まず誰かに相談したい人 |
どれかひとつに絞る必要はありません。新卒枠と中途枠の両方に応募できるのは既卒の強みなので、複数を並行して使うのが効率的です。

【例文あり】既卒の面接で頻出の質問と効果的な回答方法

既卒の就職活動で最大の関門が面接です。マイナビの調査では、既卒者が就職活動で困ったこととして「既卒者として就職活動している理由を聞かれる」が46.2%で1位でした。ここは事前準備で差がつくところです。
よく聞かれる3つの質問と、面接官が見ているポイントを整理します。
| よく聞かれる質問 | 面接官が見ているポイント |
|---|---|
| ①なぜ大学卒業時に就職しなかったのですか? | 計画性と、働く意欲があるか |
| ②卒業後の空白期間はどう過ごしていましたか? | 目的意識を持って行動していたか |
| ③なぜ今、就職しようと思ったのですか? | 入社意欲の高さと、志望の一貫性 |
質問①「なぜ大学卒業時に就職しなかったのですか?」
見られているのは計画性と働く意欲です。他責にしたり、「就職活動に失敗して」とネガティブに伝えたりするのは避けましょう。明確な目的があったこと、その経験から何を得たか、それを入社後どう活かせるかの3点を順に話すと筋が通ります。
回答例
大学時代から公務員を目指しており、卒業後も試験勉強に専念しておりました。残念ながら目標は叶いませんでしたが、毎日計画を立てて努力を継続する力と、幅広い行政知識を身につけることができました。この経験で培った継続力を活かし、貴社でも粘り強く業務に取り組みたいと考えております。
質問②「卒業後の空白期間はどのように過ごしていましたか?」
卒業後の時間を目的意識を持って使っていたかを確認する質問です。資格取得の勉強、語学学習、プログラミングスクール、アルバイトで身についたスキルなど、具体的な行動を挙げましょう。
回答例
卒業後は、飲食店のアルバイトで週4日勤務しながら、簿記2級の取得に向けて勉強しておりました。アルバイトでは新人教育を任され、業務手順をマニュアル化したことで研修期間を短縮できました。人に伝わる形に整理する力は、貴社の業務でも活かせると考えております。
空白期間が長くなっている場合の考え方はニートでも就職できる!おすすめの仕事から成功のコツまでも参考になります。
質問③「なぜ今、就職しようと思ったのですか?」
心境の変化やきっかけを具体的に示すことで、働く意欲の高さが伝わります。これまでの経験と就職への思いを結びつけ、「なぜ今か」と「なぜこの会社か」をつなげて話すのがポイントです。
回答例
アルバイトでチームの売上目標を達成した経験から、組織の一員として成果を出す面白さを知りました。個人ではなくチームで大きな目標に取り組みたいと考えるようになり、◯◯という領域で事業を広げている貴社で挑戦したいと思い応募いたしました。
面接の基本的な受け答えは就活面接における自己紹介の例文もあわせてご覧ください。
既卒に関するよくある質問

卒業後、何年経つと既卒ではなくなりますか?
法律上の決まりはありませんが、目安は卒業後3年以内です。厚生労働省の指針で卒業後3年以内は新卒枠での応募受付が求められているため、多くの企業がこの期間を基準にしています。4〜5年以上が経つと新卒枠の対象から外れ、中途採用枠での応募が中心になります。
既卒は何歳まで就職できますか?
年齢そのものによる制限はありません。労働施策総合推進法により、募集・採用時の年齢制限は原則として禁止されています。ただし「長期勤続によるキャリア形成」を目的とする場合は例外として若年者に限定した募集が認められており、新卒枠の求人に年齢上限があるのはこのためです。求人ごとに条件が異なるので、募集要項を確認してください。
既卒でも公務員試験に挑戦することは可能ですか?
可能です。多くの公務員試験は既卒・新卒を問わず受験できます。ただし試験区分や自治体ごとに受験可能な年齢の上限が定められているため、志望先の募集要項を必ず確認してください。
既卒の就職活動はいつから始めるのがベストですか?
思い立った時点で始めるのが最善です。既卒向けの求人は通年で出ているため、新卒のような明確な開始時期はありません。むしろ卒業からの年数が浅いほど新卒枠の選択肢が残るので、早く動くほど有利になります。
既卒だと大手企業には入れませんか?
応募できないわけではありません。新卒採用枠で既卒者の応募を受け付けた事業所は71%にのぼり、大手企業でも「卒業後3年以内」を条件に新卒枠を開いているケースがあります。ただし競争率は高いため、中小企業も含めて幅広く見ることをおすすめします。
アルバイト経験は職歴になりますか?
正社員としての職歴とは区別されますが、応募書類に書いて問題ありません。むしろ空白期間の説明として有効です。「何年働いたか」よりも、担当した業務と身についたスキル、工夫したことを具体的に書くほうが評価につながります。
まとめ

既卒とは、学校を卒業したあと一度も正社員として働いた経験がない求職者のことです。法律上の定義はありませんが、実務上は卒業後3年以内を指します。第二新卒との違いは正社員経験の有無、フリーターとの違いは正社員就職を目指しているかどうかにあります。
「既卒の就活は不利」と言われますが、新卒採用枠で既卒者の応募を受け付けた事業所は71%、うち43%が実際に採用にいたっています。既卒者の内定保有率も49.3%と前年から14.5ポイント上昇しました。
そして調査で示されているとおり、結果を分けるのは既卒かどうかではなく卒業後にどう動いたかです。まずは自分がどの区分に当てはまるかを確認し、空白期間を「何をしていた期間」として語れる状態にするところから始めてみてください。
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