2025.06.10
退職届に印鑑は必要?シャチハタなど印鑑の種類や失敗した時の対処法を解説

「退職届に印鑑は必要なの?」
「どの種類の印鑑を使えばいい?」
退職届を作成しているうちに、印鑑に関する疑問が出てきたのではないでしょうか。
多くの企業では慣習として求められていますが、退職届へ印鑑の押印は法的な義務ではありません。
この記事では、
- 退職届、願に適切な印鑑の種類
- 正しい押印位置とマナー
- 失敗時の対処法
などなど、退職届の印鑑に関する疑問を網羅的に解説します。
認印とシャチハタの違いの知識や、印鑑を忘れた場合の対応策など実際の退職手続きで役立つ具体的な情報を解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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退職届に印鑑は必要?
退職届への印鑑の押印は法的には必須ではありませんが、実際の職場では求められるケースが大半を占めています。
労働基準法をはじめとする労働関連法規では、退職届への印鑑押印について明確な規定は存在しません。
退職の意思表示は口頭でも有効であり、書面による退職届自体も法的義務ではないのが現状です。
しかし、日本の企業文化や慣習において、印鑑は重要な意味を持っており、正式な文書としての体裁を整えるために印鑑の押印が求められることが一般的です。
退職届の印鑑を押す正しい位置はどこ?
退職届に印鑑を押すときの位置は、署名の直後が基本です。
具体的には、氏名を記載した右側に、氏名と重ならないよう適度な間隔を空けて押印します。
縦書きの場合は氏名の下側、横書きの場合は氏名の右側に配置するのが一般的です。
書式 | 印鑑の位置 | 注意点 |
---|---|---|
縦書き | 氏名の下側 | 氏名との間隔は印鑑直径の半分程度 |
横書き | 氏名の右側 | 用紙の中央寄りに配置する |
また、印鑑は用紙の中央寄りに配置し、端に寄りすぎないよう注意が必要です。
退職届に使う印鑑の種類と選び方
退職届に押印する印鑑は、どんな種類でもいいわけではなく、印鑑によって不適切なものがあります。
印鑑の種類別に以下の表を作成しました。
印鑑の種類 | 使用可否 | 理由・特徴 |
---|---|---|
認印 | ◎推奨 | 最も適切で一般的な選択肢 |
実印 | △避けるべき | 重要すぎる印鑑のため不適切 |
シャチハタ | ×使用不可 | 正式文書には適さない |
拇印 | ×使用不可 | ビジネス文書では非常識 |
ここでは、退職届に使用できる印鑑の種類と、それぞれの特徴について詳しく解説します。
認印を基本的に使用する
退職届の印鑑は、認印を使用しましょう。
認印は日常的な書類や契約書に使用する印鑑で、退職届のような社内文書にも適しています。
朱肉を使って押印するタイプの印鑑であれば、基本的に認印として扱われます。
認印にもいろいろ種類がありますが、重要なのは、印影がはっきりと押せることと、朱肉を使用するタイプであることです。
実印の使用は避ける
実印は市区町村に登録された印鑑で、法的効力が高く重要な印鑑です。
不動産売買や重要な契約書に使用されるものであり、退職届のような社内文書には適していません。
実印を退職届に使用することで、その文書に過度な重要性を与えてしまい、後々のトラブルの原因となる可能性があります。
会社側から特別な指示がない限り認印を使用し、万が一、会社から実印の使用を求められた場合は、その理由を確認し、必要に応じて労務担当者に相談することをお勧めします。
シャチハタの使用は避ける
シャチハタは、正式な文書には適さないとされているため退職届には使用できません。
シャチハタが退職届に適さない理由として、インクの経年劣化による印影の変色や薄れ、ゴム製の印面による印影の変形などが挙げられます。
普段の業務でシャチハタを使用している場合でも、退職届のような重要な文書には、必ず朱肉を使用する認印を用意する必要があります。
拇印の使用は避ける
拇印(親指の指紋)による押印は、退職届では不適切です。
拇印は印鑑を持参できない緊急時や特殊な状況でのみ使用される手段であり、ビジネス文書では非常識とされています。
退職届に拇印を使用することは、社会人としてのマナーが欠けた印象を与えます。
印鑑を忘れた場合や紛失した場合でも、拇印ではなく、印鑑を購入してから改めて提出するか、会社に相談して後日押印する方法を選択しましょう。
>退職届・退職願の書き方完全ガイド|テンプレート、手書き例文、辞表との違い
退職届けの印鑑を忘れた・持っていないときの対応策
退職届を提出する際に印鑑を忘れたり、手元に印鑑がない状況に陥ることがあります。
このような場合でも、適切な対応を取ることで問題なく退職手続きを進めることが可能です。
状況に応じた最適な対処法を詳しく解説します。
サインで代用する場合
印鑑が手元にない場合、サイン(署名)での代用が認められるケースが多くあります。
法的には、退職届への押印は必須ではなく、本人の意思表示が明確であることが重要とされています。
ただし、事前に人事部や上司に確認を取り、サインでの代用が可能かどうかを確認しておくことが重要です。
確認しないで提出すると、後日再提出を求められる可能性があります。
後日押印で対応する場合
会社の規定で押印が必須とされている場合や、正式な手続きを希望する場合は、後日押印での対応が適切です。
この方法では、一旦退職届を提出し、翌日以降に印鑑を持参して押印する流れとなります。
一般的に退職届は、退職希望日の2週間前までに提出することが法的に求められていますが、会社によっては1ヶ月前などより早い提出を求められる場合もあります。
会社によって取り扱いが異なるため、事前に確認しておくことが安心です。
退職届けの印鑑の押し間違い・失敗時の正しい対処法
退職届に印鑑を押す際、慣れない作業のため押し間違いや失敗をしてしまうことがあります。
そのような場合でも、適切な対処法を知っていれば慌てることなく対応できます。
訂正印や修正液を使わず、基本的には新しい退職届を作成し直しましょう。
失敗したときの具体的な対処法を以下で解説します。
印影が薄い・曲がった・かすれたとき
印鑑の押し方が不適切で印影が薄くなったり、曲がったり、かすれたりした場合は、そのまま提出せずに新しい退職届を作成し直しましょう。
失敗の種類 | 対処法 | 注意点 |
---|---|---|
印影が薄い | 新しい退職届を作成し直す | 朱肉の量を適切に調整する |
印影が曲がった | 新しい退職届を作成し直す | 印鑑を垂直に押すことを心がける |
印影がかすれた | 新しい退職届を作成し直す | 印鑑の汚れを清拭してから押印する |
押し直しをする際は、まず印鑑をティッシュペーパーで軽く拭き取り、朱肉に対して均等に2〜3回軽く押し付けてから、用紙に対して垂直に力を込めて押印してください。
曲がった印影については、印鑑を押す際の角度がずれたことが原因で、真上から垂直に押すことを心がけると改善できます。
かすれについては、朱肉の量が適切でない場合や、印鑑の彫刻部分に汚れが詰まっている場合に発生します。
二重押し・斜めに押してしまったとき
一度押した印鑑がうまく押せていないと感じて、同じ場所に再度押してしまう二重押しの訂正方法は、公的書類では認められていません。
また、印鑑が斜めになってしまった場合も同様に、正式な書類としては不適切とみなされる可能性があります。
二重押しになってしまった場合は、必ず新しい退職届を作成し直してください。
斜めに押してしまった場合についても、修正液や訂正印での修正は避けましょう。
失敗の種類 | 対処法 | 注意点 |
---|---|---|
二重押し | 新しい退職届を作成し直す | 一度で正確に押すよう慎重に行う |
斜めに押印 | 新しい退職届を作成し直す | 印鑑を紙面に対して平行に保つ |
もし失敗してしまった場合でも、慌てずに新しい退職届を用意して作成し直せば問題ありません。
>退職を伝える最適なタイミングは?上司や同僚に伝える、円満退職のポイント
退職届けの印鑑を押す際に忘れがちな3つの注意点
退職届に印鑑を押す際、多くの人が見落としがちなポイントがあります。
これらの注意点を事前に把握しておくことで、スムーズな退職手続きを進めることができます。
就業規則を押す前に確認する
退職届に印鑑を押す前に、必ず会社の就業規則を人事部門や総務部門に問い合わせて確認しましょう
企業によって退職届の書式や印鑑に関する規定が異なるためです。
多くの会社では就業規則の中で退職手続きについて詳細に定めており、印鑑の種類や押印位置について具体的な指定がある場合があります。
また、退職届の提出期限についても就業規則で定められています。一般的には退職希望日の1ヶ月前までとされていますが、企業によっては2週間前や3ヶ月前と規定している場合もあります。
押印前に手を清潔にしておく
印鑑を押す前に手を洗い、清潔な状態にしておくことは意外に見落とされがちなポイントです。
手に汚れや油分が付いていると、印鑑や用紙に汚れが付着し、印影が不鮮明になったり、書類自体が汚れてしまったりする原因になります。
手が汚れていると、退職届の他の部分に朱肉が付着してしまい、書類全体の見栄えが悪くなってしまいます。
押印作業を行う机や作業台も清潔にし、ほこりや汚れが付いた表面で作業をしないよう気をつけましょう。
練習用の紙で試し押しをしておく
本番の退職届に印鑑を押す前に、必ず練習用の紙で試し押しをすることが重要です。
この手順を省略する人が多いですが、一発勝負で失敗するリスクを大幅に減らすことができます。
試し押しでは、朱肉の付け方や押印の力加減、印鑑の角度などを確認し、本番できれいに印影を押すことができます。
試し押しで確認する内容
チェック項目 | 確認内容 | 注意点 |
---|---|---|
朱肉の付け方 | 印面全体に均等に朱肉が付いているか | 片側だけに朱肉が偏らないように |
押印の力加減 | 適度な圧力で押せているか | 強すぎず弱すぎない力加減 |
印鑑の角度 | 印面が紙に対して垂直になっているか | 斜めに傾かないよう注意 |
印影の鮮明さ | 文字がはっきりと写っているか | かすれや欠けがないか確認 |
複数回試し押しを行い、安定してきれいな印影が押せることを確認してから本番に臨みましょう。
>退職時の挨拶メールの書き方|宛先別や社内外の例文、マナーを徹底解説!
退職届けの印鑑を含めた正しい書き方とマナー
退職届の作成において、印鑑の押印は重要な要素の一つですが、それ以外にも守るべき書式やマナーが数多く存在します。
ここでは、退職届全体の正しい書き方と、印鑑を含めたマナーについて詳しく解説していきます。
基本構成と記載すべき項目
退職届には決まった書式があり、必要な項目を漏れなく記載することが求められます。
基本的な構成は以下の通りです。
項目 | 記載内容 | 注意点 |
---|---|---|
宛名 | 代表取締役社長 ○○殿 | 正式な役職名を確認して記載 |
提出年月日 | 令和○年○月○日 | 実際に提出する日付を記載 |
所属・氏名 | ○○部 ○○課 氏名 | 正式な部署名を記載 |
退職理由 | 一身上の都合により | 具体的な理由は記載しない |
退職希望日 | 令和○年○月○日 | 就業規則に基づいた日程設定 |
印鑑 | 氏名の下に押印 | 認印を使用、朱肉でくっきりと |
退職届の本文では、退職理由として「一身上の都合により」と記載するのが一般的です。
転職や結婚、病気などの具体的な理由を記載する必要はありません。
手書きとパソコン作成の違い
退職届は、手書きとパソコンどちらで作成しても問題ありません。
作成の種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
手書き | 誠意や丁寧さが伝わる | 文字が読みにくい場合や誤字脱字のリスクがある |
パソコン | 文字が読みやすく、修正が容易で効率的 | フォントサイズや書体に注意する |
手書きで作成する場合は、黒のボールペンまたは万年筆を使用し、鉛筆やシャープペンシル、消せるボールペンの使用は避けましょう。
パソコンの場合には、明朝体やゴシック体を使用し、フォントサイズは12ポイント程度が適切とされています。
どちらの方法を選択する場合でも、氏名は必ず手書きで記載し、その下に印鑑を押印することが重要です。
封筒と印鑑のマナー
退職届を提出する際の封筒選びと印鑑使用には、特別なマナーが存在し、適切に守ることで信頼できる社会人として退職ができます。
一般的には長形4号封筒の白色で無地を使用し、サイズは退職届を三つ折りにして入る大きさが適切です。
封印として印鑑を押す場合は、封筒の合わせ目に印鑑の半分が表面、半分が裏面にかかるように押し、実印やシャチハタは避けるべきです。
提出時のマナーとして、郵送やメールでの提出は緊急時以外は避け、直属の上司に手渡しすることが基本です。
提出時には「お忙しい中申し訳ございませんが、退職届を提出させていただきます」などの適切な挨拶を行い、丁寧な態度で臨みましょう。
>一身上の都合の意味は?正しい使い方・退職理由での注意点(例文あり)
退職届の印鑑でよくある質問
退職届の提出後に印鑑が必要だと言われたら?
退職届を提出した後に、人事担当者から印鑑が必要だと言われた場合は、素直に応じて速やかに対応しましょう。
印鑑が必要な理由の多くの場合、「会社の就業規則や内部規定で印鑑の押印が義務付けられている」または「書類の正式性を担保するために求められる」ことがあげられます。
印鑑なしでも退職届が受理されるケースはある?
印鑑なしでも退職届が受理されるケースはあります。
法的には、退職届に印鑑の押印は必須ではなく、署名のみでも有効な書類として認められるためです。
サインでの提出は認められる?
サイン(署名)での退職届提出は、法的にも問題ありません。
民法上、契約や意思表示において署名は印鑑と同等の効力を持つと定められているためです。
押印場所を間違えた場合は?
退職届の押印場所を間違えてしまった場合には、以下の対処法があります。
- 人事担当者に相談して会社の判断を仰ぐこと
- 新しい退職届を作成し直すこと
- 訂正印を使用して正しい位置に再度押印すること
氏名の近くに押印されていれば、多少の位置のずれは問題視されないことが一般的です。
100均の印鑑は使っていいの?
100円ショップで販売されている印鑑は、退職届への使用において法的にも問題ありません。
安価な印鑑は、印影が不鮮明になりやすく、文字がかすれたり欠けたりする可能性があったり、大量生産のため同じ印鑑が複数存在し、個人の特定が困難になる場合もあります。
心配な場合は、事前に確認するか、より品質の高い印鑑を用意することを検討しましょう。
重要なのは印鑑の価格ではなく、明瞭で読みやすい印影が押せることです。
>退職するときに引き止められない理由13選|伝え方のコツや事前準備などを徹底解説
まとめ
退職届における印鑑の使用は、法的義務ではありませんが、多くの企業で慣習として求められています。
使用する印鑑は認印が基本で、シャチハタや実印の使用は避けるべきです。
印鑑を忘れた場合はサインでの代用や後日押印で対応可能ですが、事前に就業規則を確認しましょう。
押印に失敗した際は修正液を使わず、新しい用紙で書き直すのがマナーです。
適切な印鑑選択と正しい押印方法を心がけることで、円満な退職手続きを進めることができます。
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監修者:島伸明
株式会社Yagishの取締役CMO。履歴書作成サービス「Yagish(ヤギッシュ)」の成長を牽引し、2024年には800万UUを突破、会員登録者数160万人を達成するなど、日本のキャリア支援市場で高い実績を誇る。大手企業での新規事業・海外事業に加え、複数の企業で取締役を歴任。事業企画、EC、エンタメ、ゲーム開発、マーケティング、コンサルティングと多岐にわたる分野で豊富な経験を持ち、キャリア形成に深い知見を持つ。
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