2025.02.26

履歴書の中退の書き方を例文と共に徹底解説!大学や高校中退は就職に不利になる?

「中退って履歴書にどう書けばいいの?」

「中退の履歴書への書き方によっては就職に不利になる?」

など気になる方は多いのではないでしょうか?

・高校・大学などの中退歴を履歴書にどう書けばよいか知りたい

・中学、高校、大学、大学院などの実際の具体的な例文が見たい

・中退理由の面接での答え方が知りたい

・中退した成功者の例が知りたい

など色々あると思います。
この記事では、履歴書の中退に関してよくある疑問等を詳しく解説します。

中退した人はネガティブに考えてしまう人が多いですが、ポジティブに言い換えるなどすることで問題なく就活等ができます。

この記事を読めば中退に関する履歴書の悩みが解消されるでしょう。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

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この記事の目次

 

中退は履歴書に書く必要がある|高校、大学など

まず履歴書に学歴を記入する際、中退した経歴は記載する必要があります。多くの方が「中退歴は隠したい」と考えがちですが、経歴の虚偽記載は発覚した場合に信用問題となり、内定取り消しや入社後のトラブルにつながる可能性があります。

履歴書は公的文書に準ずる性質を持つためできる限り正直に書くことが大切です。採用側は入社前の身元調査や、入社後の社会保険手続きなどで学歴を確認することもあるため、中退歴を隠すことはリスクが高いと言えます。学歴詐称などとなることもあるので、基本は書くべきです。

中退者はかなり多いため気にしすぎないことも必要

また、文部科学省が平成26年(2014年)に発表した「学生の中途退学や休学等の状況について」という調査結果(PDFにてWebで閲覧可能)にて、2012年中に7万9,311人の学生が中退していたと示されています。
そのため、かなりの人が中退していることがわかります。

そのため、自分だけだと思い、考えすぎないことも大切です。

中退歴を記載する法的な理由

労働基準法では、雇用契約において労働者は正確な情報を提供する義務があるとされています。履歴書は雇用契約の前提となる重要書類であるため、学歴を含む経歴事項は事実通りに記載する必要があります。

 

履歴書に中退を書くと就職・選考で不利になる?

履歴書に中退を記載することで就職活動や選考に不利になるのではないかと不安に思う方は多いでしょう。結論から言えば、中退の事実自体が直接的に不利になる可能性は低いですが、書き方や説明の仕方によって印象は大きく変わります。

新卒採用担当者の多くは、「中退理由と現在の姿勢次第」と考えており、中退そのものよりも、その後どう立ち直り、何を学んだかを重視する傾向があります。

有名企業にも中退者がいる

特に中小企業やベンチャー企業では、学歴よりもスキルや意欲を重視する傾向が強く、中退経験者の採用に積極的な企業も少なくありません。実際に、サイバーエージェントやLINE、メルカリなど有名IT企業の創業者には大学中退者も含まれています。

 

業界・職種による中退の受け止め方の違い

中退の影響は志望する業界や職種によっても異なります。

  • 比較的影響が少ない業界・職種:IT業界、クリエイティブ職、営業職、技術職など成果や実績が重視される分野
  • やや影響がある可能性がある業界・職種:金融機関、大手商社、公務員など伝統的に学歴を重視する傾向がある分野

ただし、これらも企業文化や採用方針によって大きく異なるため、一概には言えません。例えば、メガバンクでも近年はポテンシャル採用を重視する動きがあります。

 

履歴書の中退の書き方と例文|大学、高校、高卒認定等

履歴書に中退を記載する際は、正直に事実を記載することが原則です。
中退した学校の種類によって、書き方に若干の違いがあります。
ここでは、各教育機関の中退ケース別に、具体的な記載例と書き方のポイントを詳しく解説します。

高校、大学、大学院、高卒認定、中学等々に関して記載します。

 

高校中退の場合の書き方と例文

高校を中退した場合は、入学と中退の両方を明記することが重要です。具体的には以下のような記載方法が一般的です。

20XX年4月 〇〇県立△△高等学校 入学
20XX年9月 〇〇県立△△高等学校 中途退学

高校を中退した後、別の高校に入学して卒業した場合は、その経歴もすべて記載します。

20XX年4月 〇〇県立△△高等学校 入学
20XX年9月 〇〇県立△△高等学校 中途退学
20XX年10月 □□高等学校 入学
20XX年3月 □□高等学校 卒業

 

大学や専門学校中退の場合の書き方と例文

大学中退の場合も、入学と中退の両方を明記します。学部・学科まで記載するのが一般的です。

20XX年4月 〇〇大学△△学部□□学科 入学
20XX年3月 〇〇大学△△学部□□学科 中途退学

大学を中退後、別の大学や専門学校に入学した場合は、その経歴もすべて記載します。

20XX年4月 〇〇大学△△学部 入学
20XX年3月 〇〇大学△△学部 中途退学
20XX年4月 □□専門学校■■学科 入学
20XX年3月 □□専門学校■■学科 卒業

大学中退の場合、最終学歴は「〇〇大学△△学部 中退」となりますが、その後に専門学校等を卒業している場合は、その学校が最終学歴となります。

 

高卒認定を取得したが中退した場合

高校を中退し、高卒認定試験に合格した後、大学に進学して中退した場合は以下のようになります。

20XX年4月 〇〇高等学校 入学
20XX年9月 〇〇高等学校 中途退学
20XX年8月 高等学校卒業程度認定試験 合格

 

大学院中退の場合

大学院を中退した場合も、学部と同様に入学と中退を明記します。修士課程なのか博士課程なのかも記載するとより明確になります。

20XX年3月 〇〇大学△△学部 卒業
20XX年4月 〇〇大学大学院△△研究科修士課程 入学
20XX年7月 〇〇大学大学院△△研究科修士課程 中途退学

修士課程を修了後、博士課程に進学して中退した場合は以下のようになります。

20XX年3月 〇〇大学△△学部 卒業
20XX年4月 〇〇大学大学院△△研究科修士課程 入学
20XX年3月 〇〇大学大学院△△研究科修士課程 修了
20XX年4月 〇〇大学大学院△△研究科博士課程 入学
20XX年8月 〇〇大学大学院△△研究科博士課程 中途退学

中学中退の場合

中学校を中退した場合の記載例:

20XX年3月 〇〇市立△△中学校 中途退学

履歴書に中退を記載する際は、事実を正確に記載することが最も重要です。中退という事実を隠したり、誤魔化したりすると、入社後にトラブルの原因となることがあります。正直に記載し、必要に応じて面接で前向きな説明ができるよう準備しておきましょう。

また、中退後に様々な経験を積み、成長した部分や習得したスキルをアピールするなど、中退という一点だけでなく、その後の人生でどのように自分を高めてきたかを伝えることも大切です。

参考:履歴書の職歴・学歴の書き方を完全解説!基本ルールとケースごとの記入方法|転職、大学院卒等

参考:履歴書フォーマット・テンプレートで簡単作成!無料PDFダウンロード・状況別形式での書き方

 

履歴書に「中退理由」は書くべき?書き方のポイントと見本

履歴書における中退の記載については、単に「中途退学」と書くだけでなく、その理由についても記載すべきかどうか悩む方が多いでしょう。結論から言えば、「中退理由は基本的に書くべき」です。なぜなら、中退理由を明記しないと採用担当者に「なぜ辞めたのか」という疑問や不安を抱かせてしまい、マイナスの印象を与える可能性があるからです。

中退理由を書く際の基本的なポイントは以下の通りです:

  • 簡潔に、ポジティブな表現を心がける
  • 事実に基づいた内容を書く(嘘は書かない)
  • その後のキャリアや学習との一貫性を示す
  • 必要以上に詳細を書きすぎない
  • ネガティブな表現や言い訳口調は避ける

履歴書の学歴欄は限られたスペースですので、中退理由は1〜2行程度の簡潔な文章にまとめるのが望ましいでしょう。

家庭の事情等、やむを得ない理由の中退の場合

家庭の経済状況の悪化や、家族の介護、自身の病気など、自分の意思とは関係なくやむを得ない理由で中退した場合は、その事実を簡潔に記載することが大切です。

例えば以下のような書き方が適切です:

「家庭の経済的事情により退学」

「家族の介護のため退学」

「家庭の事情により退学」

このような理由の場合、詳細を説明しすぎると逆に採用担当者に負担をかけることになります。
簡潔に理由を述べ、必要に応じて面接で補足説明するのが良いでしょう。

 

ポジティブな理由で中退した場合

「別の進路に進むため」「起業のため」「就職するため」など、新たなチャレンジや目標のために中退した場合は、その決断が前向きなものであったことを明確に伝えましょう。

例文としては次のようなものが挙げられます:

「ITエンジニアとしてのキャリアを早期に築くため退学」

「△△専門学校へ進学のため退学」

「語学勉強のためカナダへ留学し、退学」

前向きな理由の場合は、その後の行動との一貫性が重要です。例えば「ITエンジニアになるために中退した」なら、その後実際にITエンジニアとしての経験や資格取得の努力をしていることが望ましいでしょう。

 

少しネガティブな理由で中退した場合

「学業不振」「進路のミスマッチ」「人間関係のトラブル」など、ネガティブな理由で中退した場合は特に表現に注意が必要です。事実を隠す必要はありませんが、「一身上の都合により退学」とし、面接にて聞かれた際に対応する方が望ましいです。

中退理由書き方まとめ

基本的に中退理由は隠さない方が良く、書いた方が良いですが、状況によって対応します。
書かない場合、なんで退学したのかと採用担当者に不安をいだかせることもあるので、少なくとも一身上の都合と書くようにしましょう。

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浪人や留年については書くべきか?

立ったまま資料を見ているスーツを着た若い女性

履歴書において中退の記載方法については理解できたかと思いますが、浪人や留年についてはどうすべきなのでしょうか。結論から言うと、浪人や留年は基本的には履歴書に記載する必要はありません。以下で詳しく説明します。

浪人について

浪人とは大学受験に失敗し、翌年以降に再度受験するために勉強する期間のことを指します。履歴書の学歴欄では、入学した学校と卒業(または在学中)の学校を記入するだけで構いません。

2020年3月 〇〇高等学校 卒業
2021年4月 △△大学□□学部 入学
2025年3月 △△大学□□学部 卒業見込み

このように、浪人期間に関する記載は必要ありません。入学年月と卒業年月に空白期間があっても、それが浪人期間であることは採用担当者も理解しています。

留年について

留年についても、基本的には履歴書に明記する必要はありません。履歴書には入学した年月と卒業(または卒業見込み)の年月を記載するだけで十分です。

通常であれば4年で卒業するところが5年かかっていることから、留年したことは推測できますが、わざわざ「留年」と明記する必要はありません。

 

面接で中退理由を質問された場合の対処法・答え方

履歴書に中退の経歴を記載した場合、面接でその詳細について質問されることはほぼ間違いありません。中退理由を聞かれることに緊張するのは当然ですが、適切な準備と心構えがあれば、この質問をポジティブな印象に変えることが可能です。ここでは、面接で中退理由を質問された際の効果的な対応方法と答え方のポイントを解説します。

 

中退理由の質問に対する基本的な心構え

面接官が中退理由を質問する目的は主に、あなたの人柄や価値観、困難への対処能力、そして現在の就労意欲を確認することにあります。ネガティブな経験をどう乗り越え、そこから何を学んだかを知りたいと考えています。

まず大切なのは、中退という事実に対して前向きな姿勢で臨むことです。言い訳や後悔ではなく、その経験から得た学びや成長に焦点を当てましょう。また、簡潔かつ誠実に答えることを心がけ、必要以上に細かい説明は避けるのがベストです。

 

状況別の効果的な答え方・例

経済的理由による中退の場合

経済的な理由で中退した場合は、その状況を簡潔に説明し、その間どのように対処したかを伝えましょう。

【回答例】

「家庭の経済状況が急変したため、学費を工面することが難しくなり、大学を中退することになりました。中退後は、すぐにアルバイトを始め、家計を支えながら、将来のキャリアについて考える時間を持ちました。その経験から、困難な状況でも現実的な判断ができるようになり、責任感も身につきました。現在は、○○の分野に強い関心があり、御社で自分の能力を活かしたいと考えています。」

進路変更による中退の場合

自分の適性や関心に気づき、進路を変更するために中退した場合は、その決断に至るまでの思考プロセスと、現在の目標へのつながりを説明しましょう。

【回答例】
「大学で学ぶうちに、自分の本当に興味のある分野が異なることに気づきました。真剣に考えた結果、時間とリソースを有効に使うために中退し、○○の分野でのキャリアを目指すことにしました。中退後は、この分野の基礎知識を身につけるために△△の資格を取得し、関連する実務経験も積んできました。この経験から、自分の本当にやりたいことを見つける大切さと、それに向かって行動する勇気を学びました。御社では、これまでの経験と学びを活かして貢献したいと考えています。」

健康上の理由による中退の場合

健康問題が原因で中退した場合は、現在の健康状態に焦点を当て、その経験から学んだことを前向きに伝えましょう。

【回答例】
「当時、体調を崩してしまい、学業の継続が困難になったため中退しました。療養期間中は、自分の健康管理の重要性を学び、また将来について深く考える機会となりました。現在は完全に回復し、健康管理にも十分注意しています。この経験から、困難な状況でも諦めずに前を向くことの大切さを学びました。今は健康面での不安はなく、仕事に全力で取り組む準備ができています。」

 

面接での中退の質問への対応時の注意点・ポジティブにするコツ

正直に話すことの重要性

中退理由について偽りの説明をすることは避けましょう。嘘は後々の言動に矛盾を生じさせ、信頼関係を損なう原因となります。事実を基に、ポジティブな側面を強調する方法を考えましょう。

たとえば、「単位が取れなくて退学になった」という事実がある場合でも、「学業に十分な時間を割けなかった反省から、時間管理の重要性を学びました。その後は、計画的に行動することを心がけ、○○の資格取得など具体的な目標に向かって着実に進んでいます」というように、そこから得た学びと現在の改善点を伝えることが大切です。

余計な情報は控える

中退理由の説明は簡潔に行い、必要以上に詳細な情報や個人的な問題について長々と話すことは避けましょう。質問の本質に答えつつ、ポジティブな側面に話を移行させることを意識してください。

特に、「教授との人間関係が悪かった」「授業内容に不満があった」などの否定的な発言は、あなた自身の人間関係構築能力や適応力に疑問を抱かせることになりかねないので注意が必要です。

現在の自分をアピールする

中退という過去の出来事よりも、その後どのように成長し、現在はどのような姿勢で仕事に取り組もうとしているかを強調しましょう。中退から得た教訓や、それによって培われた強みについて具体的に説明することで、逆境を乗り越える力や自己成長への意欲をアピールできます。

例えば、「中退後は自分の適性を見つめ直し、○○の分野でスキルアップするために△△の研修を受け、実践的な知識を身につけました。この経験から、自分の目標に向かって着実に前進する大切さを学びました」というように、具体的な行動と学びを伝えましょう。

 

想定質問への準備

中退に関連して、面接では以下のような質問が予想されます。事前に回答を準備しておくことで、自信を持って対応できるでしょう。

  • 「なぜ中退することになったのですか?」
  • 「中退後、何をしていましたか?」
  • 「中退したことで後悔していることはありますか?」
  • 「同じような状況になったとき、今ならどう対処しますか?」
  • 「中退の経験からどのようなことを学びましたか?」
  • 「中退した学校での経験は、今の志望動機にどうつながっていますか?」

これらの質問に対しては、事前に簡潔かつポジティブな回答を用意し、自分の言葉で話せるように練習しておくことをおすすめします。質問の意図を理解し、自分の経験をどのように仕事に活かせるかという視点で答えることが重要です。

>面接官の心をつかむ!面白い逆質問の例文リスト、NG質問や注意点など

 

模擬面接での練習の重要性

中退理由の説明は、面接の中でも特に緊張しやすい場面です。事前に友人や家族と模擬面接を行い、実際の面接状況に近い環境で練習することをおすすめします。

>【面接|新卒の逆質問例35選】一次や最終面接で有利に進むポイントと注意点

 

履歴書の中退に関してよくある質問とその回答

履歴書に中退情報を記載する際、多くの方が疑問や不安を抱えています。ここでは、よく寄せられる質問とその回答をQ&A形式でご紹介します。正しい知識を身につけて、自信を持って履歴書を作成しましょう。

履歴書に中退情報の記載は必須なのか?

「中退した学校は書かなくてもいいのでは?」という質問をよくいただきますが、入学した事実があれば、たとえ中退したとしても履歴書に記載する必要があります。履歴書は公的文書に準じるものであり、経歴を正確に記載する義務があります。中退情報を隠すと、虚偽申告となり、採用後に発覚した場合は解雇事由となることもあります。

ただ、中学の学歴は記載しないことが多いので、中学の退学はその後に高校などを出ている場合は記載しなくても大丈夫です。

企業側も入社希望者の経歴について、卒業証明書や在籍証明書などで確認することが一般的です。正直に記載して、その後の面接などで前向きなアピールをすることが大切です。

中退後に何もしていない期間がある場合はどうすべき?

中退後に就職活動や次の進学準備など、すぐに次のステップに進まなかった場合も、その期間を履歴書に記載する必要があります。「職業訓練」「就職活動期間」「進学準備期間」などと明記しましょう。

例えば以下のように記載します:

2021年3月 ○○大学△△学部 中退
2021年4月~2021年9月 資格取得のための学習期間
2021年10月 株式会社◇◇◇ 入社

空白期間がある場合は、その期間に何をしていたのかを明確にすることで、自己管理能力や目的意識をアピールできます。

2回など複数回中退している場合の書き方は?

高校を中退して別の高校に入り直した場合や、大学を中退して別の大学に入り直した場合など、複数回の中退経験がある場合も、すべての経歴を時系列に沿って正確に記載します。

複数回の中退があっても、最終的に卒業や資格取得に至った経験は、困難を乗り越えた粘り強さの証明になります。面接ではその過程で学んだことを前向きに伝えましょう。

 

休学と中退の違いはどう記載すべき?

休学と中退は明確に区別して記載する必要があります。休学は在籍したままで一時的に学業を中断する状態であり、中退は学籍を完全に失う状態です。

休学の場合:

2019年4月 ○○大学 入学
2020年4月~2021年3月 休学
2023年3月 ○○大学 卒業

長期の休学がある場合は、面接で休学理由を聞かれる可能性が高いので、建設的な説明ができるよう準備しておきましょう。例えば「海外でのボランティア活動」「専門的なインターンシップ参加」など、休学期間の有意義な活用について伝えられるとよいでしょう。

 

中退経験者の成功事例はある?

日本でも多くの中退経験者が各分野で成功しています。例えば:

  • 孫正義氏(ソフトバンクグループ創業者):早稲田大学を1年で中退
  • 三木谷浩史氏(楽天創業者):一橋大学大学院を中退
  • 堀江貴文氏(実業家):東京大学工学部を中退
  • 村上春樹氏(作家):早稲田大学第一文学部を中退

彼らに共通するのは、中退という選択を自分のキャリアにおける積極的な判断として位置づけ、その後の活動に全力を注いだ点です。中退は必ずしもキャリアの障壁にはならず、むしろ自分の進むべき道を見つけるきっかけとなったケースも少なくありません。

 

中退経験をポジティブに伝えるコツは?

履歴書や面接で中退経験をポジティブに伝えるためのポイントは以下の通りです:

  1. 中退後の成長や学びを具体的に説明する
  2. 中退を選んだ理由を前向きな言葉で表現する
  3. 中退期間中に身につけたスキルや資格を強調する
  4. 中退経験が今の自分の強みにどうつながっているかを説明する
  5. 中退という「挫折」をどう乗り越えたかのストーリーを用意する

例えば「大学での学びと自分の目指すキャリアにギャップを感じ、より実践的なスキルを身につけるため中退を選択しました。その後、関連資格を取得し、実務経験を積むことで、理論と実践の両面から業界知識を深めることができました」といった説明が効果的です。

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中退した事実をどう捉え、今自分がどうであるかが大切

履歴書に中退の事実を記載することに不安を感じる方は多いですが、重要なのは中退した事実そのものではなく、その経験をどう捉え、その後どのように行動してきたかです。採用担当者が最も知りたいのは、あなたの現在の姿勢や価値観、そして成長の軌跡です。

中退経験を前向きに捉え直す方法

中退という経験は、必ずしもマイナスではありません。むしろ、自分自身と向き合い、新たな選択をした勇気ある決断と捉えることができます。以下に、中退経験を前向きに捉え直すためのポイントをご紹介します。

まず、中退という選択をした時の状況を客観的に見つめ直しましょう。当時の環境や自分の心情、そしてその選択に至った理由を冷静に分析することで、その経験から何を学び、どう成長したかを明確にすることができます。

例えば、「目標が明確になり進路変更した」「自分の適性を見つめ直した結果」「新たな可能性に気づいた」など、前向きな視点で捉え直すことが可能です。中退後の行動や取り組みがポジティブであれば、それはむしろ自己理解や決断力の高さを示す材料となります。

中退後の自己成長をアピールする

中退後、どのように時間を過ごし、どんな経験を積み、何を学んできたかが重要です。採用担当者は、その期間であなたがどう成長したかに関心を持っています。以下のような観点から、自己成長をアピールしましょう。

スキルアップへの取り組み

中退後に資格取得や独学でスキルを磨いた場合は、具体的な内容を伝えましょう。例えば、「ITスキルを独学で習得し、基本情報技術者試験に合格」「英語力向上のためTOEICで800点を取得」など、数字や具体的な成果を示すことで説得力が増します。

アルバイトやインターンでの経験

中退期間中のアルバイトやインターン経験も貴重です。特に志望業界に関連する経験があれば、それは大きなアピールポイントになります。「コンビニでのアルバイト経験を通じて接客スキルと店舗運営の基礎を学んだ」「ITベンチャーでのインターンで実務経験を積んだ」など、具体的に何を学び、どう成長したかを伝えましょう。

ボランティアなどの社会活動

ボランティア活動やNPO活動、地域コミュニティへの参加なども、社会性や協調性をアピールできる材料です。「地域の子ども向け学習支援ボランティアに参加し、教えることの難しさと喜びを知った」「環境保護団体での活動を通じて、組織運営の基礎を学んだ」など、具体的なエピソードと学びを伝えましょう。

 

終わりに:中退は新たな出発点

中退は決してキャリアの終わりではなく、新たな出発点です。むしろ、自分自身と向き合い、本当に自分が望む道を選ぶ勇気ある決断とも言えます。重要なのは、その経験をどう捉え、その後どう行動してきたかです。

履歴書に中退を記載することは必要ですが、それはあくまでも経歴の一部に過ぎません。中退後の行動や現在の目標、そして自分自身の成長の軌跡をしっかりとアピールすることで、中退という事実はむしろあなたの人間性や決断力、成長力を示す貴重な材料となります。

自分の選択と経験に自信を持ち、前向きな姿勢で就職活動に臨むことが、最終的には採用担当者の心を動かす最大の武器となるでしょう。

中退者の就職成功率と実例

厚生労働省の調査によれば、大学中退者の正社員就職率は約65%で、高卒者の就職率(約70%)に近い数字となっています。つまり、中退したからといって著しく就職が困難になるわけではありません。

実際に中退を経験しながらも就職に成功した例は数多くあります:

  • 大学中退後、独学でプログラミングを習得し、IT企業に就職
  • 経済的理由で中退後、アルバイトをしながら資格を取得し、専門職に就職
  • 進路変更のため中退し、別の分野で専門学校に通った後、関連業界に就職

これらの例に共通するのは、中退後の行動と姿勢です。中退という事実よりも、その後どのように自分を高め、目標に向かって努力したかが評価されています。

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まとめ

履歴書における中退の書き方について解説してきました。中退経験は必ず正直に記載する必要があり、虚偽の申告は信頼関係を損なう結果となります。中退自体は就職に不利になる可能性はありますが、適切な書き方と前向きな姿勢で乗り越えられるものです。書き方としては「〇〇大学△△学部 中途退学」のように簡潔に記載し、中退理由は面接で質問された際に説明するのが基本です。

特に、家庭の事情や新たな目標への挑戦など、前向きな理由であれば積極的にアピールしましょう。日本の就職市場においても、中退者向けの求人も増えています。最終的に重要なのは、中退という事実よりも、その経験から何を学び、どう成長したかという点です。自分の強みを活かし、前向きな姿勢で就職活動に臨みましょう。

 

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監修者:島伸明

株式会社Yagishの取締役CMO。履歴書作成サービス「Yagish(ヤギッシュ)」の成長を牽引し、2024年には800万UUを突破、会員登録者数160万人を達成するなど、日本のキャリア支援市場で高い実績を誇る。大手企業での新規事業・海外事業に加え、複数の企業で取締役を歴任。事業企画、EC、エンタメ、ゲーム開発、マーケティング、コンサルティングと多岐にわたる分野で豊富な経験を持ち、キャリア形成に深い知見を持つ。